ベルギーは「くじびき」で大学の合否が決まる?

2013.03.29

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今回はフランスのお隣の国、ベルギーとフランスの間で近年起こっている問題の一つを紹介したいと思います。その問題とは、大学入試です。

 

フランスの学生がベルギーに殺到!

医学部の学生

フランスの大学に入学するには、高校の最終学年に全国で実施される、Baccalauréat(バカロレア、大学入学資格試験。略してBAC)をパスしなければなりません!

このBACに合格して晴れて希望の大学へ入学申請が可能となります。しかしここ数年、医療系の大学を目指す際、フランス人は母国の大学に登録するよりベルギーでの学業を好むらしいのです!
そしてあまりに多くのフランス人がお隣ベルギーの大学に殺到するため、歯学部の30-45%、医学部の17-26%をフランス人が占めるという事態に…

この異常事態を受け、ベルギー政府はついに最近こう発表しました!

「せっかく私たちがお金をかけ、施設、教育を提供しているのに、学業を終えた大部分のフランス人は国を離れてしまう!ただでさえベルギーでは医師が不足しているのに、ベルギーの若者が医療系学部に入るのに十分な枠がない!そんなのおかしい!」ということで・・・

「フランス人学生の医療系学部入学者数に制限を設けよう!」

うーん、わからないではないですが…これ、今議論を呼んでいるんです。
というのも、入学を志望している学生が入学条件を満たしている場合、最終的に抽選会を行い、くじびきで入試の合否を出す方式にしたのです!そんな無茶苦茶な…だいたい、EU加盟国に住む人々は「移動の自由」が保障されているはずなのに、入学者数を制限しようとするのはおかしいと法に訴えるフランス人まで出始めているんです!

まぁ確かにくじびきで当たらなかったから不合格って、誰だって納得できませんよね。

なぜベルギーを目指すのか

因みになぜ、フランス人学生はベルギーの大学に行きたがるのでしょう?フランスにも医学部はたくさんありますし、世界的にも評判は良いです。理由は簡単。入学が簡単だから!

平均よりほ~~~んの少し学力が上だという程度で、ベルギーの医学部や歯学部は入学できてしまいます。だからフランスの医学部に入るには学力が足りない!という人は皆ベルギーに流れていくというわけです!しかも学費だって、ベルギーのそれはフランスとほぼ同じ。日本に比べ激安なので、金銭的にはあまり変わりません。

 

あとがき

何はともあれ医学部は命を助ける優秀な人材を育てるべきところ、なのにそんな簡単に入学できちゃう…何だか怖くないですか??この問題、どのように決着するのか目が離せませんね!

執筆 編集部

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