フランス 同性婚が認められて10年 どう変わった?

2023.05.02

フランス同性婚2023年5月2日(火)、フランスで2013年5月に同性婚が法制化されてから10年が経ちました。これを機に、パリ市は同性婚についての統計を発表しました。

 

同性愛者の権利、より平等に

フランスでは1999年、同性愛者のために「PACS」(パックス)と呼ばれるパートナーシップ制度が作られましたが、結婚は認められていませんでした。

その4年後、同性婚が合法化されたことで、性的少数派(LGBT)に対する権利の平等化へ一歩進みました。

同性婚の法制化は、2012年のフランス大統領選挙で当時社会党の候補だったフランソワ・オランド(François Hollande)元大統領の公約に掲げられていました。

同大統領の当選後、国会で数週間にわたる議論の末、2013年4月23日、賛成331票、反対225票で可決され、翌月17日に憲法評議会が法案の合法性を確認しました。

これによりフランスはヨーロッパで9番目、世界で14番目に同性婚を認めた国となりました。

 

パリ、10年間で8,000組の同性婚、10組に1組

法制化の翌年、パリ市に届けられた2014年の同性婚数は1331件で、年間の件数としては最も多かった年になります。

過去10年間の統計で、婚姻届数全体における同性婚の割合は9.4%で、結婚したカップルのうち男性同士が75%を占め、残る25%が女性同士でした。

ちなみにパリ市で女性同士の婚姻届が最も多かったのは20区で、これまで240組が結婚しています。

同性婚が多い区はどこ?

パリ市に提出された婚姻数全体のうち、最も同性婚の割合が多かったのはパリ、セントラル(1、2、3、4区)の1186組で、全体の21%を占めています。

次いで10区の17.4%(633組)となっています。

ただし、数だけで見ると、パリセントラルについで同性婚が多いのは11区の854組です。

 

2013年当初は、同性愛者の結婚ラッシュだったが…

同性婚が認められた2013年は1034組が結婚しています。

数の面では翌年14年より300組ほど少ないですが、法律が発令されたのが6月だったためこの年は半年しかなかったことを考えると、いかに多くの人がこの時を待ち焦がれていたかがわかります。

2015年ごろから、婚姻数全体における同性婚の比率は減り始め、パリでも2022年は全体の8.6%(601組)となっています。

パリにおける女性同士の結婚数は毎年200組程度と安定していますが、男性同士は顕著に減っており、現在男女比は2対1と縮まってきました。

 

2001年世界初の同性婚、オランダ

同性婚は2001年、世界で初めてオランダで認められました。

その後2022年までに認めた国は以下の通りです。

2003年 ベルギー

2005年 スペイン、カナダ

2006年 南アフリカ

2007年 ノルウェー、スエーデン

2010年 ポルトガル、アルゼンチン、アイスランド

2012年 デンマーク

2013年 フランス、ブラジル、イングランド、ウエールズ、ウルグアイ、ニュージーランド

2014年 スコットランド

2015年 ルクセンブルグ、アイルランド(国民投票にて)、アメリカ

2016年 コロンビア、グリーンランド

2017年 マルタ、ドイツ、フィンランド

2018年 オーストラリア

2019年 オーストリア、エクアドル、台湾

2020年 コスタリカ、北アイルランド

2021年 スロベニア、キューバ、チリ、スイス

執筆:マダム・カトウ

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