3月20日(月)から22日(水)、フランスの高校卒業資格にあたるバカロレア(baccalauréat)取得のための試験が行われました。今回の試験は、ストライキや問題流出によって波乱の幕開けでした。
2023年度バカロレア試験
バカロレアとは、フランスの高校卒業資格にあたります。
バカロレアには3種類あります。このうち「普通バカロレア」には、文学、経済・社会、科学の3つのコースがあり、ほかに「技術バカロレア」と「職業バカロレア」があります。
今回行われている専門試験では、バカロレアの種類とコースによって指定の科目を受験することになります。
2023年度試験の日程
例年は3月に専門試験、6月に最終試験が行われます。コロナウイルスの感染拡大により、昨年は5月に実施されたところ、今年はようやく無事に例年通りの開催になりました。
今年度は、6月14日・15日に普通・技術バカロレアに共通の「哲学」「フランス語」、6月19日〜30日に共通科目の口頭試験が行われ、7月4日に最終結果が発表される予定です。
昨年度の受験者数は、普通バカロレアに約38万人、技術バカロレアに約14万人、そして職業バカロレアに約19万人が挑みました。
波乱の幕開け ストライキ、問題流出
今年度のバカロレアは、ストライキやSNSでの問題流出などの事件によって、波乱の幕開けでした。
2023年3月より、フランス各地では、年金改革への反対デモが長期的に行われています。この影響で公共交通機関がストップしたり、教育機関が閉鎖されるなど、試験の開催への影響が懸念されていました。
例えばフランス北部にあるリール第2大学では3月15日、改革に反対する学生による選挙が行われ、大学の校舎の一部や教務が閉鎖されました。
Réforme des retraites: l’université de Lille 2 bloquée, l’établissement fermé ce mercredihttps://t.co/yUWrEvdHpW pic.twitter.com/5a7KtnTozX
— BFMTV (@BFMTV) March 15, 2023
また全国中等教員組合(Syndicat National des Enseignements de Second degré, SNESFSU)は、「試験機関もストライキを続ける」と発表していました。
2023年度試験の日程
3月21日には、技術バカロレアの一部コース(マネージメント・経営系、STMG)で、試験が一時中断されました。
Enquête après la fuite d’un sujet du bac
➡️ https://t.co/IU2wobJdtp pic.twitter.com/Qvo8ztPsLG— 20 Minutes (@20Minutes) March 21, 2023
国民教育省によると、地方の試験センターからSNS上で問題が流出したとのことで、現在その詳細や経緯が調べられています。該当する経済・法律科目は、8万2千の高校生が受験していました。
波乱の幕開けとなった2023年度のバカロレア試験ですが、受験生の健闘を応援したいと思います!
執筆あお
参照
L’étudiant Dates du bac 2023 – le calendrier des épreuves
フランス国民教育省 Réussir au lycée. Les ràsultats du baccalauréat