フランス 8月のインフレ率5.9% 朝食にも打撃

2022.09.22

フランス 朝食9月15日(木)、INSEE(*)は、昨年8月と比べインフレ率が1年で5.9%上昇したと報告しました。フランスでの朝食に欠かせないコーヒーは、昨年8月と比べ1年間で11.2%値上がりしました。

*INSEE: フランス国立統計経済研究所(Institut national de la statistique et des études économiques)

 

インフレ率 高止まり

世界的なインフレの拡大は、フランスの生活に大きな影響を与えています。7月時点と比べても、インフレ率は高止まりしており、とくにエネルギー価格(22.7%)や、ガソリン価格(28.7%)の上昇が目立ちます。

バター約16%の値上がり

食料品の値上がりも深刻です。昨年8月から今年8月まで、フランスの朝食に欠かせない多くの食材が以下のように値上がりしています。

・バター 15.8%
・卵 11.4%
・コーヒー豆 11.2%
・ヨーグルト 9.7%
・コーンフレーク 9.5%
・脱脂乳(スキムミルク) 9.4%
・砂糖 9.1%
・パン 8.2%
・ジャム、コンポート 7.8%
・全乳が7.8%、
・カカオ・ココアパウダー 6.7%
・フルーツジュース 6%
・紅茶・ハーブティー 3.1%

原因は、生産コストが上がっていることです。とくにエネルギー価格が上がっていることや、輸送費また一時原料の価格の上昇が影響しています。

コーヒー豆の価格上昇については、主な生産地であるブラジルにおける氷結や洪水という要因もあります。

フルーツ、肉、乳製品も

中には、先月よりもインフレ率が収まっているものもあります。生野菜は先月のインフレ率が4.9%だったところ、今月は0.5%の上昇にとどまっています。

一方、フルーツは先月のインフレ率が2.7%だったのに対し、今月は3.2%の上昇、また食肉や卵・乳製品のインフレ率も上昇しており、安心できません。

 

2022年度インフレ率の予想5.3%

フランス政府は2022年度のインフレ率が5.3%まで上がると予測しています。現在のところのインフレ率は5%のため、今後もインフレが続くと考えられていることがわかります。

2023年度について予測されているインフレ率は4.2%であり、フランス中央銀行(Banque de France)の設定した目標値である2%をはるかに上回るとして警戒されています。

経済支援策は徐々に緩和

ブリュノ・ル・メール(Bruno Le Maire)経済大臣は13日(火)、現在行われている支援措置を徐々に緩めていく方針に改めて触れました。一方で、この撤回により、12月以降のインフレ率が上昇するだろうという点も強調しています。

現在フランスでは、一般家庭に対しては電気・ガス料金の据え置きや、ガソリン代補助の措置がとられています。

フランス本土におけるガソリン代補助については、当初は8月末までの措置だったところ、9月1日から10月31日新たに、1リットルあたり30セント(約43円)の割引を適用することになっています。

11月1日から12月31日までは、割引が10セント(約14円)に引き下げられ、その後この支援策は終了する予定です。

このままインフレが収まらない場合に、フランス政府がどのような措置をとるのかに注目です。

執筆あお

参照
フランスエネルギー移行省 23/08/2022 « Remise carburant » : quel fonctionnement ?
INSEE 15/09/2022 En août 2022, les prix à la consommation augmentent de 0,5 % sur un mois et de 5,9 % sur un an

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