フランス映画監督ゴダール氏、91歳で死去

2022.09.15

フランス 映画9月13日(火)、フランス映画界を代表する監督のひとり、ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)氏が亡くなりました。91歳でした。

 

スイスで自殺幇助うける

ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)氏は、フランス映画のヌーヴェル・ヴァーグ(la Nouvelle Vague)を代表する監督の一人です。

ゴダール氏は13日、スイスで91歳で亡くなりました。不治の病や、耐え難い苦痛を伴う病気などを患う場合に、スイスでは一定の条件のもとで自殺幇助を受けることが合法とされています。

マクロン大統領も追悼

マクロン大統領は13日、Twitterで「ゴダール氏は、大胆に現代的で、また極めて自由な芸術を生み出した」とゴダール氏を悼みました。

 

ヌーヴェル・ヴァーグの第一人者

ゴダールは1930年にパリで生まれ、医者の父と敬虔なプロテスタントで家柄のよかった母のもと、戦時中にもかかわらずのびのびと育ちました。

ソルボンヌ大学で民族学の修士号をとった傍ら、映画雑誌ガゼット・デュ・シネマ(Gazette du cinéma)やレ・カイエ・デュ・シネマ(Les Cahiers du cinéma)の批評家としてキャリアを積んでいきました。

1954年には初めて短編ドキュメンタリー(Opération béton)を製作し、その5年後にはヌーヴェル・ヴァーグの代表作として知られる『勝手にしやがれ(À bout de souffle)』(1960年)を発表しました。この映画はベルリン国際映画祭の銀熊賞などを受賞しています。

その後も『軽蔑(Le Mépris)(1961年)や『気狂いピエロ(Pierrot le fou)』(1963年)など、70以上の作品を残しました。

1960年代には、カンヌ国際映画祭での賞の選出に反対するなどの運動を行い、ジガ・ヴェルトフ集団(Groupe Dziga Vertov)というグループを結成して、匿名で政治的作品を撮影したという顔も持っています。

その後も精力的に映画製作をつづけ、近年には第71回カンヌ国際映画祭(2010年)で、「スペシャル・パルム・ドール」を受賞するなど、フランスまた世界を代表する監督として名声を高めてきました。

ヌーヴェル・ヴァーグ

ヌーヴェル・ヴァーグとはフランス語で「新しい波」を意味します。フランスでは1950年代〜60年代、映画学校を出ていない或いは映画会社に所属していない若手が斬新な方法で映画製作に取り組みました。

その特徴は、スタジオではなくロケ地で、自然の音を取り入れたこと、脚本よりも撮影現場でのインスピレーションを大事にすること、などです。

ゴダールのほかに、フランソワ・トリュフォー(François Truffaut, 1932-1984)や、クロード・シャブロル(Claude Chabrol, 1930-2010)の名が知られています。

撮影時にゴダールは、アドリブに任せることが多かったようで、『気狂いピエロ』主演のアナ・カリーナ(Anna Karina)氏は困惑したこともあったと告白しています。

この機会に、ぜひゴダール作品、またヌーヴェル・ヴァーグの作品を見返してみてはいかがでしょうか?

執筆あお

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