ロシアのウクライナ侵攻 フランス全土で広がる支援活動

2022.03.03

フランス ロシア ウクライナ

3月2日(水)、フランスのマクロン大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻に関してテレビ演説を行ないました。フランスは対話によって、ロシアの武力行使を止める方針を示しています。

 

フランス ロシアとの関係を保つ

マクロン大統領は演説で、「日を増すごとに事態は厳しくなる」「ロシアは被害者ではなく加害者だ」としたうえで、「フランスはロシアに対して対戦状態にはない」こと、またロシアが武力を放棄するようプーチン大統領とは「関係を保つ」ことを表明しました。

一方でマクロン大統領は、フランスの農業や経済への影響に懸念も示しています。カステックス首相は、数日内に経済的・社会的レジリエンスのための政策を提示するとしています。

 

難民の受け入れ拡大なるか

国際連合によれば、3月2日の時点ですでに66万人がウクライナから出ています。陸続きのヨーロッパ諸国にとっては、ウクライナを出ざるを得ない人々の受け入れ体制が問題となっています。

フランス内務省によれば、フランスでは現状100名ほどを受け入れているところ、多くの議員や団体が受け入れ拡大を主張しています。

滞在許可の発行 EUの特例措置はじめて

フランス内務省は、すでにフランス国内にいる、滞在資格の期限が近いウクライナ人に対しては、自動的に90日間分を更新するとしています。

一方、フランスに来たばかりで滞在許可証のない人々に対しては、それぞれ対応が異なります。フランスとの二重国籍をもつ人は、シェンゲン協定の規定が適用され、90日間フランスに滞在できます。このような資格をもたない人々は、ウクライナと国境を接する国での滞在許可を申請することになります。

フランスはEUに対して、ウクライナ人に対して一時的な保護という名での特例措置を解除することを要請しました。この要請では、2年の更新が可能な、1年有効の滞在許可という形式をとることになります。

多くの加盟国はこの原則を受け入れ、3月3日に正式決定することになっています。この措置がとられるのは、制度ができた20年前以来、初めてです。

 

民間団体などによる支援体制

フランスでは、さまざまな非営利団体が、支援物資や寄付金の収集を行っています。

2月28日の時点で、フランス政府はテントや薬、食糧など合計33トンの支援物資をポーランドに送付したと発表しました。またモルドヴァに対しても30トン超の支援物資を送る予定です。

支援物資の収集

非営利団体Le Secours populaire代表のジャン・ステリタノ(Jean Stellitano)氏によると、これまでの経験から、収集している物資は衣服や毛布ではなく、リュックサックやサバイバル・ブランケット、FMラジオ、粉ミルク、下着、コンロなどだといいます。

また、水やガスが使えない事態のため、米や小麦粉、パスタなど調理の必要なものよりも、調理済みのものや温めるだけで食べられるものが必要とされています。

他の団体でも、SNSを通じて医薬品や衛生用品、またキャンプ用ベッド、寝袋など収集するなど、フランス全土で支援物資の収集を行っています。

国境地域でのボランティア、従軍

在仏ウクライナ大使館は、Facebookでポーランドやルーマニアとウクライナの国境地域で支援活動に協力するボランティアを募集しています。また軍への協力も呼びかけています。

難民受け入れ、寄付金

また、フランス南部のシストロン(Sisteron)などでは、約50名のウクライナからの難民受け入れを行っています。難民の多くは子どもだといい、他にもこのような難民受け入れを行なう街がいくつかあります。

多くの民間団体は、公式ホームページに口座情報を載せるなどして、直接寄付金を受け入れられるような体制をとっています。フランスでは、寄付金の66%までは減税対象となり、そのうち20%までは非課税とすることができます。

執筆あお

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