フランスのロゼッタストーン?謎の文字解読に賞金

2019.05.13

8日(水)以降、フランス北西部のブルターニュ地方(Bretagne)の更にその先端、フィニステール(Finistère)県のプルガステル=ダウラ(Plougastel-Daoulas)村では、数年前に海岸で見つかった数世紀前のものとみられる、文字が刻まれた石が注目を集めています。村はこの文字を解読できた人に対し、2,000ユーロ(およそ24万7000円/1ユーロ:123円計算)の賞金を払うとしています。(写真はエジプトのロゼッタストーンの複製)

 

およそ300年前の石が発見される

今回話題となっている石は、フィニステール県のプルガステル=ダウラ村のカロ岬(Pointe du Caro)の海岸で数年前に見つけられたもので、石には文字が刻まれています。


石の存在が明らかになったのはつい数年前で、石は300年ほど前の18世紀前後のものとみられています。

フィニステール県は潮の満ち引きの差が非常に大きいことで有名で、この石が干潮時にしか姿を現さなかったことから、最近になるまで発見されなかったということです。

フランス版ロゼッタストーン

今回のこの文字が刻まれた石は、フランス版のロゼッタストーン(仏:Pierre de Rosette/英:Rosetta Stone)として話題を集めています。

ロゼッタストーンとは、1799年にエジプトの地中海沿岸にある湾岸都市ロゼッタ(Rosetta/アラビア語:رشيد‎ 、ラシッド)で見つかった石板で、古代エジプトの都市メンフィス(Memphis/アラビア語:منف、マンフ)で、紀元前196年にプトレマイオス5世(仏:Ptolémée V/ギリシャ語:Πτολεμαίος Ε’ Επιφανής)によって出された勅令が刻まれています。

碑文は古代エジプトで使われていた、神聖文字「ヒエログリフ(Hieroglyph)」、民衆文字「デモティック(Demotic)」そしてギリシャ文字の三種類の文字で刻まれています。

現在のところ何語なのかわかっていない

プルガステル=ダウラ村で見つかった石に刻まれていた文字について、「バスク語(le basque、フランス南西部、およびスペイン北東部一帯のバスク地方で話されている言語)や古いブルトン語(le breton、ブルターニュ地方で話されている言語)ではないかという意見が出ているが、現時点では解読は出来ていない」と、ドミニク・カップ(Dominique Cap)村長は話します。

この石には、マストを張った船の様なものや、十字架を抱くハートなどが刻まれていて、更に「ROC AR B… DRE AR GRIO SE EVELOH AR VIRIONES BAOAVEL… R I 」「 OBBIIE: BRISBVILAR… FROIK…AL」、更に1786年、1787年という二つの西暦表記などが書かれています。

 

解読できた人には2,000ユーロ

プルガステル=ダウラ村は、この文字を解読するためのコンテスト「Mystère Champollion(神秘のシャンポリオン )」を開き、優勝した人には報奨金として2,000ユーロを支払うとしています。
※ジャン=フランソワ・シャンポリオン(Jean-François Champollion):ロゼッタストーンを解読した、フランスの古代エジプト学研究者

コンテスト開始3日で、ベルギーのブリュッセル(Bruxelles)やイギリスのリバプール(Liverpool)など世界各地から1,000通を超えるメールが寄せられているとのことです。

神秘のプルガステル=ダウラのロゼッタストーン。皆さんもこのコンテストに参加されてみてはいかがでしょうか。

コンテストは11月30日(土)まで
問い合わせ先:veronique.martin@mairie-plougastel.fr

執筆:Daisuke

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