フランスの所得税、2019年1月より源泉徴収を導入へ

2018.04.10
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フランスでは、2018年の個人所得の確定申告は5月17日から6月5日までです。2019年1月より源泉徴収の導入が決まっているため、給与収入の確定申告は今年で最後となります。

 

何度も導入を検討したが・・・

現在、西ヨーロッパ諸国の中で個人所得税が確定申告なのはスイスとフランスだけです。しかし、1920年に導入したドイツに遅れること約100年、2019年1月からついにフランスでも所得税の源泉徴収が導入されます。

所得税の源泉徴収は過去20年間にわたり右派左派を問わず、歴代の政権が何度も導入を検討してきましたが、オランド前政権時に可決されるまで具体化されませんでした。

そのオランド前政権も2018年の導入を目標に掲げていました。でも税務署のシステム、企業側への告知などの準備が間に合わないこと、また見た目の手取りが減ることで政権の不人気が加速されるのを恐れたためか、1年延期されました。

 

フランスは世帯収入に課税

2018年の申告は2017年の収入に対して行われます。

2017年の収入に対する2018年の税率

9,807ユーロ(約127万円)~27,085ユーロ(約352万円)14%
27,086ユーロ(約352万円)~72,616ユーロ(約944万円)30%
72,617ユーロ(約944万円)~153,782ユーロ(約2,000万円)41%
153,783ユーロ(約2,000万円)以上 45%
※所得の10%が見積もり経費として控除が認められています。

フランスでは「生活水準の平等」をモットーに、個人ではなく世帯ごとに課税します。
例えば、夫婦2人子供2人の世帯では、本人1+配偶者1、子供0.5x2とされ、世帯単位はトータル3です。夫婦の所得の総額が30,000ユーロ(約390万円)の場合、30,000ユーロx0.9÷3=9,000ユーロ(約117万円)が課税額(この場合最低所得を割るため非課税)です。

 

導入で何が変わる?

確定申告のために税金を支払う9月まで、納税用のお金を口座に残しておかなくてはならなかった時代は終わり、すでに年10回の分割前納が年収27,000ユーロ(約351万円)の世帯には義務付けられています。

導入後の企業側の申告はあくまで給与所得のみで、不動産所得、利子などの金融所得など給与所得以外の収入、および各種の控除に関しては、今まで通り毎年4月~6月の間に申告します。

つまり多くの給与所得者にとっては、給与天引きになって収入が減ったような気分になる以外はあまり変わらないといえるかもしれません。

また、2019年から今までのように前年分が徴収されるのではなく、同年の所得税が毎月天引きされるということは、2018年は所得税を払わない「空白の年」になります。ただ、この恩恵を受けるのは、導入前から所得税を払っている人が亡くなった時です。それ以外のケースとしては、2017年までに来仏した駐在員が2019年以降に帰任する場合、帰国した年に2018年の所得税分を得することでしょう。

 

企業側の負担増、導入に社員一人当たり125ユーロ

来年の導入を前に、中小企業、自営業者の組合、U2P(Union des entreprises de proximité)は、「税申告は企業の仕事じゃない」と反発しています。

U2Pはまた、源泉徴収の導入は企業にとって「非生産的」かつ「企業の仕事と責任が増える」とし、社員一人当たり約125ユーロ(約16,000円)掛かるといわれている導入費用の負担など、経済的配慮を政府に求めています。

さらに、企業が社員の所得税申告を怠ったり、もしくは誤って申告した場合、一人当たり250ユーロの罰金、個人情報が漏洩した場合、故意でなくても15,000ユーロ(約196万円)の罰金および1年の禁固刑が科せられます。

執筆:マダム・カトウ

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