2026年9月8日(火)、昨日7日、エッフェル塔は従業員によるストライキのため突然終日閉館しました。思わぬ閉館に、世界中から訪れていた観光客は落胆を隠せない様子でした。発端となったのは、2日前の土曜日、貸し切り訪問のヒンズー教の宗教団体から、宗教上の理由で訪問中は女性スタッフを現場から「はずしてほしい」との依頼をうけ、これを会社側が受け入れたことです。衝撃を受けたスタッフが男女問わずストを決行しました。地元メディアが報道しています。
女性スタッフは男性に交代、見えない場所に「隠れるように」に衝撃
5日(土)、宗教団体、略称「バプス」(BAPS)で今月、パリ近郊、セーヌ=エ=マルヌ県(Seine-et-Marne)のビュシー=サン=ジョルジュ(Bussy-Saint-Georges)に、ヒンズー教の大規模な寺院が開設されたことを祝うお祭りが開催され、パリ市内のあちこちで、みこしを担いで練り歩き、伝統舞踊が披露されました。
この祝賀の一環として、バプスの代表団がエッフェル塔観光を行いました。その際、他の観光客の妨げにならないよう、一般入場時間外に貸し切りで入場しました。
当日、宗教上の理由で、エッフェル塔内のスタッフは「すべて男性」とし、女性スタッフは一行から見えるところにいないようにしてほしいという要請をしていました。
会社側がこれを受け入れ、当日女性スタッフによる業務の一部は男性スタッフに交替し、さらに女性スタッフに限って団体に近づかないようにと指示されました。
組合側、女性スタッフへの「屈辱」を表明
組合側は「性別を理由に職場で女性が排除された」と会社に抗議する声明を出しています。当日指示を受けた女性スタッフの一人も「代表団がいる間、女性が通行できないゾーンが告知され、姿を現さないように指示されました。職場の男女平等の原則が無視されてショックでした」と語っています。
テレビの取材に答えたエッフェル塔の従業員組合代表、ディアンヌ・ダヴォワン(Diane Davoine)氏は、「BAPSの代表団は女性と接触があってはいけないということで、当日勤務していた女性スタッフは、団体から遠く離れた場所に行くよう指示されました。これは男女問わずスタッフに衝撃をあたえました。よって、屈辱を受けた女性スタッフの「気持ち」を表明する形で、本日エッフェル塔は閉館し、ストライキの決行に踏み切りました。」と述べています。
会社側は非を認め
ストを受け、会社側は「今回の貸し切りの条件を受け入れるべきではなかった」と非を認め、「どんな外交儀礼、文化、宗教上のいかなる配慮であっても、男女平等の原則に例外を設けることを正当化するものではない」と発表しました。
パリ市長「あってはならない」、BAPS代表は「謝罪」
パリ市長は、今回の男女差別について「あるまじきこと」とし、エッフェル塔の従業員への「支持」を表明しています。
一方、問題となった「要請」をしたBAPSは、事態収拾のためSNSに投稿、エッフェル塔側が要請を拒否しなかったことを説明したうえで、「今回私たちの訪問で傷ついたり、いやな思いをした人たちにお詫びします」と謝罪の意を表明しました。
パリ、そしてフランスを代表するランドマーク、エッフェル塔で、フランス共和国の標語「自由・博愛・平等」(”Liberté, Égalité, Fraternité”)に反する行為があったことに、当事者でなくとも衝撃を受けます。
「鉄の貴婦人」(エッフェル塔の愛称、”la Dame de fer”)も泣いているでしょう。
出典:FranceInfo、BFM
執筆:マダム・カトウ












