今回は「チーズの歴史」について触れたいと思います。
皆さんはチーズがどのようにできたかご存知ですか?誰が最初に作ったのでしょう?そしていつ?質問したのに申し訳ありませんが、実はこれ、誰にも分からないんですよ。
チーズは偶然発見?
推測を交えながらチーズ発祥の真相に迫りたいと思います。まず「どのようにできたか」という疑問に関してですが、おそらく、ワインやビール、パンのように自然発生したのではとされています。
例えばワインは、収穫後のブドウが潰れて器の底に果汁が溜まり、それが発酵していつの間にかワインになっていた・・・。偶然とは、すごい!ワインの権威であるヒュー・ジョンソンも「ワインは発明されたのではなく、発見されたのだ!」と述べたほど!
チーズに戻りますと・・・単にミルクを長時間放置し、勝手にミルクが固まって、気がついたら、
「あっ何かできちゃった!どれどれ…なかなか美味しいじゃん?!」という感じでしょうか(笑)こうして、ミルクが乳酸発酵して固まった凝乳がすこ~しずつ、人間の知恵によりチーズへと進化していったと言われています。
例えば、暖かい地方に住み牧畜で生計を立てていた人たちはミルクを器にとり、飲みきれず放置してしまった。するとそのミルク内には自然の乳酸菌が激増し、次第に凝固する。しかも腐敗する菌が減っていくので保存性が高まった!目に見えない微生物の力って本当にすごいですね〜★
因みに紀元前3000年ごろは乳牛よりもヤギ、羊のミルクが主流だったそうです!紀元前8世紀頃になると、古代ギリシャの有名な詩人ホメロス、イリアス、オデェッセイアの叙事詩に「チーズの記載がある」という歴史的観点からも、太古の昔からチーズが存在していることがわかります。
しかしある資料によると、当時食べられていたものは大麦のチーズ入りお粥?だったらしく、今私たちが食べているチーズとは程遠いものだったみたいです。
もう少し後の時代になるとようやく、チーズ大好き!っていう方なら一度は聞いたことがあるエピソードが登場します。「アラビアの商人が砂漠を旅していました。羊か山羊の胃袋で作った水筒にミルクを入れていたら、ある日水筒の中の乳が固まっているのを発見。これがチーズの誕生!」ただこの話の真偽は不明ですが・・・。
とにかく!初期のギリシャ時代になると、カチカチのおろして食べるチーズが存在していたり、塩水に浸した保存性の高いものを食べていたそうです。当時は冷蔵庫なんて無かったわけだから、保存性は重要ですよね。
それからというものチーズの広がりには目を見張るものがあります!全盛期のローマ時代になるとお金持ちの食卓には数々のチーズが並び、8世紀にシャルルマーニュ大帝が青かびチーズのロックフォールを気に入ったことから、毎年このチーズを宮殿に納めよという命令が出たとか。
また、キリスト教の布教活動が世界各地で盛んになればなるほどチーズも同様に広まり、多くの人々の食生活に受け入れられました。
文学にもチーズはよく登場します。例えばモリエールやシェークスピア。ただ、今の時代と違うのはチーズが「貧しさの象徴」であったこと・・・まぁ、確かに飲みきれず余ったミルクで何となく作った保存食ですもんね。貧しい人=口に入れる物はどうなろうと捨てない、という感じでしょうか。
それでも18世紀後半以降になると、再び宮廷でもてはやされるようになり、チーズの地位が一気に上がったそうです!
最後に、食通で有名、かつチーズの名前としても有名なブリアサヴァアン。
「チーズのないデザートは、片目の美女である」 by 美味礼讃
あとがき
これほど上流階級で愛されていたチーズ。そして産業改革によりチーズの大量生産が始まり、裕福層だけでなく、庶民の食卓にも登場し多くの人々に食べられるようになったチーズ。
現在では私たち日本人にも広く親しまれるようになり、改めてチーズってすごい食べ物!と思ったのは私だけではないはず!
執筆 Yuki