今日は、フランス人がどのようにこだわりの購入方法でワインを買い求めるかのご紹介をします。フランスでワインを買うならぜひ、カーブ(蔵)へ直接買いに行くのがおススメですよ!
これであなたもワイン通に!?
カーブでは色々な種類のワインを試飲させてもらい、蘊蓄をたれ、 あーでもないこーでもないと言いつつ、どっさり買って帰る…というのがワイン通がとる一連の流れです。今からご紹介するFabien Reboulのワインは格別の味である以外に「エチケット (une étiquette)」が面白いので、今回の記事の主役に持って来ました。
冒頭の写真。白Tシャツの彼がワイン職人のFabienです。フツーの田舎のおっちゃんといった風貌ですね(笑。こうして飲みながら今年のブドウはどうだ〜雨が多いだ〜風が強いだ〜など話すのですね。
奥の樽には前年度(+以前)のワインが眠っています。頼めばこちらの樽の中身も味見させてもらえます。
さて、ここから面白エチケットを紹介しましょう!
ちなみにエチケットとは:
ワインの銘柄等が書いてあるラベルのことを指します。そのワインの顔、と言ってもいいほど大事な存在です!そこで任意にワインの名前を記載することが出来ます。Fabienのワインの面白い所は、ネーミングセンスです!
面白いワインのネーミング
Renverse-moi !(赤) 私を倒して!→グラスを「傾ける」「ひっくり返す」という意味になり、「私を飲んで頂戴!」と訴える情熱に満ちていますね〜。
続きましてコチラ。
Espérance(赤)→「願い」がこもっているのでしょうね〜。こちらも面白いです。
Par Hasard(ロゼ)→た、たまたま出来ちゃったワインです!?(Par hasard =”奇遇にも”という意味です)
こっちも負けていません!
Pourquoi pas?(白)→Fabienのワインは赤が多いのですが、白もいいんじゃない?って感じでしょうか。(英語の “Why not ?” と同意の一言です。)
極めつけはコレ!
Encore Une Fois(赤)→「もう一度」これは2009年を最後に未だ再現不可能な幻のワイン。100%モーベドル(ブドウの品種、セパージュの一種類)なんです!「あれからずっと成功してないんだ…」とFabienが言っていましたが、もしかしたら2012年の葡萄でイケるかも!?と臭わせていました。もう一度飲みたいな〜!
最後に。。。(ちょっと写りが暗いですが)
T’EM T’EM(赤)→「てむ てむ」さて、どう言う意味でしょう!?正解は je t’aime, je t’aime !! の略語なんです♡
※フランスの携帯メッセージ(SMS)は文字数に制限があり、一文字でもオーバーすると二通分に料金が変わってしまうため(最近は無制限になってきましたが)語数を減らすために単語を省略する工夫があったのです。
例)Salut! →slt Désolé →dsl などなど。。。ちなみにこれを “Le langage SMS”と言います。「ショートメッセージ用言語」という意味ですね。言語研究の対象にもなる程発達してるんですよ〜
ちなみにこのT’EM T’EM は奥様へのメッセージ♡だそうです。
あとがき
さて、楽しんで頂けましたでしょうか?ワインを探し求めるのも、飲むのも楽しいですが、エチケットをよく見ると売り手のユーモアも感じられて楽しいですね。やっぱりワインの聖地フランス、遊び心も満載です。
執筆 Yasko