「異国の行事」ハロウィンが、フランスの子どもたちに身近な理由

2015.10.30

早いものでもう今年も残すところあと2か月となりましたね。

 

11月1日は万聖節

11月1日は、カトリックではToussaint(万聖節)と言い、すべての聖人の祝日に当たります。もともとは殉教した聖人を祝う習慣から始まり、5月に行われていました。その後どうやら8世紀ごろから11月1日に祝われるようになりました。

この日はカトリックの国ではたいてい祝日です。ご存知の方も多いでしょうがフランスでは「トゥサンの休暇」があり、小中高校とも2週間お休みになります。

 

11月2日は死者の日

実は翌日の11月2日は死者の日。11世紀にクリュニー僧院が定めたものと言われています。1日が祝日であるところから、その日にお墓参りをする人が多いため、万聖節死者の日はよく混同されますが、同じ日ではありません。

クリュニー僧院

敬虔なカトリック教徒の多いポーランドでは、墓地にはこの日ろうそくが多く立てられ、華やかでにぎやかな様相となります。それと比べるとフランスの死者の日は地味ですが、私の周りにも、この日お墓に足を運ぶことを習慣としている人が何人かいます。

 

10月31日はハロウィン

もう一つ万聖節の影を薄く?しているのが、言わずと知れたハロウィン。元はケルト人の風習から始まり、アメリカに渡ってヨーロッパに戻り、今や全世界に広まりつつある(すでに広まった?)お祭りです。ケルト人にとっての大晦日であった10月31日夜に行われます。

一見、万聖節とは何の関係もなさそうですが、実は、Halloween(ハロウィン)は、”All Hallow Eve”から生まれた呼び名。つまり、「すべての聖人(Hallow)のイヴ(前日)」という意味なのです。

ハロウィンは異国の行事だけど…

フランスの公的機関は、Laïcité(非宗教性)を基本としていますので、公立学校では、万聖節死者の日については何も教わりません。反対に、ハロウィンは、宗教とは関係ないとみなされていますので、かえって気軽に学校行事に使われることが多いようです。

言い換えれば、フランスの子供たちにとっては、異国の行事のほうが身近なものになりつつあるというのが現状です。

土地の風習は、時に信仰と切り離しては理解しがたいもの。こういう節目に、子供と一緒に振り返り話して聞かせるのも、親の務めのひとつということなのでしょうね。

執筆:ゆき
執筆 ゆき

 

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