今日は6月21日。フランスでは、この日が暦上の「夏」で、みな「夏が来たね!」と声を掛け合います。要するに夏至ということなのですが、35年ほど前からは「Fête de la musique(音楽祭)」の日としても知られています。この催しを具体的な形にしたのは、当時の文化相ジャック・ラング。ちなみにジャック・ラング文化相時代にフランスに根を下ろした文化イベントは数多く、有名なところでは以前の記事で取り上げた9月の「ヨーロッパ(文化)遺産の日」なども挙げられます。
プロの無料コンサートも楽しめる!?
音楽祭の日は夕方から夜にかけ多くの公共施設や町中の道路が舞台となり、原則だれでも音楽を奏でることができることになっています。毎年プロの無料コンサートも多く企画されます。
非常に楽しいイベントではありますが、夏の開放的気分と相まってアルコールが入ってしまうと騒ぎになることもあります。去年のテロ事件以来いまだ非常事態にあるフランスでは、いつにも増して厳重な警備を予定しています。
サッカー Euro 2016
折しもサッカーのEuro 2016開催中。今日6月21日もマルセイユ、パリ、ランス(Lens)、ボルドーで4つの試合が予定されています。そのうちマルセイユでは6/11のロシアVSイングランド戦に絡んで、怪我人の出る騒ぎが起こったばかり。今日の試合ウクライナVSポーランド戦も要注意試合とみなされているため、警備に多くの人員を割く予定です。
そのため今年に限りマルセイユの音楽祭は日程をずらして、今日ではなく6月23日に催すことに先週決まったところです。
また、パリでも同じ理由(警備の人数が足りないという)でDenfert-Rochereau(ダンフェール・ロシュロー)広場で予定されていたコンサートがキャンセルになりました。このコンサートには、1万2000人が集まると見積もられていたそうです。
試合前のひとときをのんびり楽しむスイス人サポーターたち
とはいってもEuro2016と音楽祭を上手に組み合わせる自治体もあるようです。例えばリル(Lille)ではサッカーのファンゾーンで、昼から夜までコンサートが予定されています。ビッグスクリーンで試合の様子も分かれば音楽も聞けるという一石二鳥の集まりなのでしょう。
まとめ
ここのところ試合のある夕方は道がやたらと空いていたり、人通りの絶えるフランス。ええっ?!そんなにみんなサッカー好きだったの?と驚くほど。ファンゾーンでのコンサートとなれば、集客には苦労しないで済むかもしれませんね。
全国の音楽祭のプログラムは、こちらの公式サイトから検索できます。どうぞ音楽を聞いて「夏の到来」をお楽しみください。
執筆:冠ゆき