フランスの夏休みは7~8月の2ヶ月です。実際にヴァカンスに出るのは7月14日の革命記念日後から、聖母の被昇天の祭日8月15日までの間のようです。では、本来なら都市の人口が減る時期にルーヴル美術館やノートルダム寺院で列を作っているのは誰なのでしょう?
地方のフランス人にも人気のパリ観光
7月終わりから8月前半が、最も都市の人口が減る時期であり、夏のパリにはパリジアンはほとんどいないのです。ご想像通り、外国人観光客が大多数ですが、実は地方に住むフランス人もかなりな数に上ります。
2014年の統計では、ヴァカンスにパリに上った地方のフランス人は、1160万人もいたそうです。ちなみに同時期パリを訪れた外国人観光客は1350万人でした。
この夏、地方からパリを訪れたフランス人のインタヴューが、先日Le Parisien紙に載っていました。まとめると、パリの魅力はやっぱりその文化性。美術館にしても、展覧会にしても、モニュメントにしても、文化遺産、イヴェントがごまんとあり、お店も様々で、すべてが至近距離。地方から来ると、特にそれが何より素晴らしく見えます。
地方のフランス人も一度は行きたいパリ
夏はすべてがスローで寛いだ雰囲気なのも、特に子連れには嬉しいところ。というのも、地方組は「子供に首都パリを見せるのが目的!」という家族連れが特に多いのです。
他の季節ならちょっとできないかも?というような都心でのピクニックも夏は平気でできてしまいます。彼らのプログラムは、おおむね外国人観光客と同じで、エッフェル塔、ルーヴル美術館、バトームーシュ、ラ・ヴィレットの科学工業センター、ノートルダム寺院、パリ・プラージュ、などなど。
地方のフランス人から見たパリは?
ただし、物価の高さには、誰もが驚いています。いくつかのモニュメントの入場料はもちろんのこと、スーパーの日用品ですら、「私の町より高いわ。」という声も上がっています。
もう一つの残念な点は、列を作って待つ時間が長いこと。「メトロの切符さえ並ばないと買えないなんて!」というのは多くの地方人の感想です。
外国人旅行者と異なるのは、宿泊場所。外国人はホテルに滞在するケースが大半ですが、地方から来たフランス人は半数近くが、知り合いや親戚の家に滞在しています。
パリのアパートの鍵を持ち、つかの間のパリジアンとなった彼らも、パリの人は冷たいと感じることが多いそうです。「誰も他人には目もくれやしない。」というのは、インタヴューされたノール(北)出身の女性。「でもその分、どんな服装でも外に出られるから楽ね。」と前向きな言葉が続きます。
どうでしょう、夏のパリを訪れたことのある方、皆さんの感想と重なるところはありますか?