今回は「リールのブラッドリー」をご紹介します。毎年9月、最初の週末に催されるヨーロッパ最大級の蚤の市のことです。今では毎年200~300万人が訪れるイベントとなっているんですよ!
リールブラッドリー 蚤の市の楽しみは?
リールはフランスの北の端、ベルギーとの国境に寄り添うように横たわるノール県の県庁所在地です。この蚤の市、すでに12世紀には成立していたようです。
パリ北駅からリールまではTGVで1時間で行けます。この日に合わせてマラソン大会やコンサートなども開催され、移動遊園地も設置されています。町全体が蚤の市会場となるのが特徴です。
商売人がセール感覚で出している店もあれば、こんなガラクタ誰が買うのか??というようなものを並べて、自分たちはその横でカード遊びに興じているような人たちもいて、ぶらぶら見て歩くだけでも面白いです。
braderie(ブラッドリー)の語源とは?
「Braderie」は北フランスやベルギーでは古物市を指します。起源は古オランダ語の「braden=ローストする」にあると考えられています。
「ロースト」と「古物市」がどう関係するのでしょうか?
実は、15世紀にリールの蚤の市でローストした鶏肉やニシンが売られるようになったことが語源のようです。今では、「商店の大安売り」の意でも用いられる言葉の起源がこんなところにあったのかと考えるのも面白いものです。
土曜から日曜にかけて、オールナイトで続くリールのブラッドリー。この夜ばかりは、地下鉄もトラムもオールナイトで営業されています。
てんこ盛りの貝の正体
ところで、リールのブラッドリーで人目を引くものの一つにこれです!何に見えますか?正解は、ムール貝の殻の山です。
リールブラッドリーの名物料理は?
リールのブラッドリーに欠かせない料理がムールフリット(ムール貝の白ワイン蒸し、フライドポテト添え)です。このムールフリットの消費量をブラッドリーの期間中、各レストランが競い合います。そして、客の食べ終えたムール貝の殻を店の前に積み上げていくのです!実際、ブラッドリーの週末二日間で消費されるムール貝は、毎年数百トンに及ぶそうです。
ムールフリットに合うビール
ちなみに、ムールフリットに合うビールはブロンドビール。それも修道院産のものが合うようです。有名なところではレフがお薦め。
最後に
機会のある方は、ぜひ一度ヨーロッパ最大級の蚤の市を体験してみてください!日本のフリーマーケットとは違ったお宝に逢えるかもしれませんよ。そしてムールフリットもご堪能くださいね。
執筆:ゆき