フランスでは、年が明け、1月最初の日曜には、galette des rois(ガレット・デ・ロワ)を食べてエピファニー祭を祝う風習があります。
エピファニー祭とは?
この日にガレット・デ・ロワを食べる風習については、アンサンブル講師Ayakoさんの記事が詳しいので、そちらをお読みいただけるとよく分かるかと思います。中に入っているフェーヴと呼ばれる陶器製の小さな人形を当てた人が王様になって、用意された王冠をかぶることになっています。
このエピファニー祭には、パリの製菓職人たちも、エリゼ宮の大統領に大きなガレットをプレゼントします。これは1975年、ヴァレリー・ジスカール・デスタンの時代に始まったもので、今も毎年続けられています。
2013年のオランド大統領とガレットの様子はこちらのヴィデオでご覧になれます。2014年にこのガレットを作ったのは、製菓職人レミ・ポテ氏。2011年には、イルドフランス最高のガレット賞も獲得したヴェテランで、シラク大統領時代から18年担当しています。
ガレットは直径が1.15mもあり、やはり特別な技法が必要なのだそうです。シラク大統領、サルコジ大統領、オランド大統領にガレットを届けてきたポテ氏によると、一番グルマンだったのはシラク大統領だとか。
ところで、このエリゼ宮用ガレットには、実はフェーヴが入っていません。なぜなら、「大統領は王様になることができない」という意味が込められているからです。なかなかひねった粋なプレゼントではないですか。
執筆:ゆき