毎日の生活に欠かせない、使い捨ての白いものといえば、タイトルにもあります「ティッシュ」ですよね〜。フランスのティッシュ、触り心地は値段によりけりです。でも「鼻セレブ」ほど滑らかなものは存在しません(涙)。
日本語のティッシュは通じない
日本人が「ティッシュ」と呼ぶこの製品、フランスでは何と言うでしょう?フランス語の語彙が豊富で勘のいい方はすでにお気づきかもしれませんが、フランス語には「ティッシュ」という音に近い名詞がありますよね? そう「布」を意味するdu tissu(デュ ティスュ)。
日本人が使う「ティッシュ」という言葉はこのフランス語名詞から来ているのかもしれませんね?真偽はさておき、残念ながら、フランスでは ” tissu ” はあくまで糸で織られた「布」のことを指すので、写真にある紙のティッシュには使われません。
※ちなみに布は大きいロールから必要なぶんを切り取って「部分として」購入するものなので、一般的には部分冠詞「du」をつけます。
さてさて、解答をじらすのはいい加減にして(苦笑)フランスの「ティッシュ」、正式名称はこちらです!
un mouchoir en papier
「紙製のハンカチ」という意味なんですね、たしかにそうです。でもこれ、日本の「ティッシュ」に比べてやたら長くないですか?「アン・ムショワール・オン・パピエ」って・・・一日に何回も言いそうなのに、こうも長いと不便です。
それが理由かどうかわかりませんが、多くのフランス人がこの正式名称を使わず、もっと短い単語を用いてティッシュ1枚を表現します。それはなんと…
un kleenex(アン クリネックス)
こちらはフランスのスーパーでよく見かけるデザイン。シンプルで可愛らしいですよね?私も時々買います。クリネックスって、え〜?あの日本にもある商品名のクリネックス?そうなんです。世界的に有名なクリネックス、フランスではその名前があまりに浸透しすぎて、固有名詞にもかかわらず一般名詞化してしまったんですね〜。
というわけでこの単語、日常会話ではこんな風に使われます↓
Tu peux me passer un kleenex ? クリネックス(ティッシュ)1枚取ってくれない?
その他の有名な固有名詞
この「固有名詞の一般化」、他にも例がありますよね。最もポピュラーなのは世界的に飲まれているあの甘〜い炭酸ドリンク、コーラ。フランス人は「コーラ」とは言わず、ご存知の方も多いと思いますが、こう呼びます。
un(du) coca
「コカ」はそう、「コカ・コーラ」のコカ!「コーラ」が一般名詞なのに、企業名のほうを使っちゃってる!たしかにフランスで飲まれているのは圧倒的にコカ・コーラですけど、他にも「◎◎ cola」みたいに他社のコーラだってたくさん売られているのに。それでも「コカ」という言葉を一般的に使うんですよね〜、不思議です。
あとがき
ともあれ自然なフランス語を話したいなら、フランスでフランス人が実際に使っている単語を知っておきたいですよね。ティッシュを表す「un kleenex」、日本でもよく知られているし発音も簡単なので、ぜひ機会があれば使ってみてくださいね。
執筆 Miwa