DELF B2試験対策(その4)読解の内容と対策

2023.05.26

DELF/DALF

フランス政府認定のDELF(Diplôme d’études en langue française)B2は、中級者向けのフランス語能力試験です。

この試験を突破するには、自分の意見や一般的な事柄について詳しく理解・表現することのできるレベルのフランス語力が必要です。

このシリーズ記事では、DELF B2試験の内容や対策をご紹介しています。第4回目の今回は、DELF B2の読解(Compréhension des écrits)試験の内容を徹底的に分析します。

(シリーズ第1回では、DELF B2試験の基本情報を、第2回では過去問と参考書の紹介、第3回はリスニング試験の特徴と対策を紹介しています。ぜひこちらもご覧ください)

 

DELF B2読解試験の内容

第1回の記事で見たように、筆記試験はリスニング(Compréhension de l’oral)・読解(Compréhension des écrits)・作文(Production écrite)の3セクションで構成されています。

読解は60分で3つの問題が出されます。

 

第1・2問の形式とテーマ

1・2問目は、テキストを読み必要な情報と筆者の意見を読み取る問題です。

題材はフランス語のニュース記事(BFM TV20 minutesなど)です。400語〜500語ほどの分量です。

テーマはたとえば「中学校での携帯電話の禁止」「自転車での通勤」などで、社会のさまざまな問題を取り扱っています。

第1・2問を解くヒント

それぞれのテキストには、調査や統計、政策、企業や団体の責任者へのインタビューなどが含まれています。

そして設問には多くの場合、以下のような表現で「ソース(情報源)」が示されています。

Selon / D’après…(〜によると)
Pour…(〜にとっては)
Une étude / enquête montre que…(ある研究/調査の示すところでは〜)

このヒントを手がかりに、該当する箇所をテキストから見つけ、適切な選択肢を選びましょう。

テキストには筆者と異なる立場の意見も含まれているので注意です。上に挙げた表現を参考に、「誰が」「どのような立場から」「どのような意見をもっているか」を正確に把握して設問に答えましょう。

第1・2問の対策

練習を積むには、参考書やインターネットメディア(BFM TV20 minutes)の記事がおすすめです。

できるだけ多くのテーマにふれ。語彙や表現を増やすと同時に、フランス語圏の社会で何が問題となっているのか具体的なデータや政策の内容とともに理解すると良いでしょう。

また記事を読む時には、先述の「ソース」を表す前置詞や動詞に印をつけながら読むと、設問に答える際の目印になります。

余裕があれば、テキスト中のデータや発言ごとに、どのような立場と意見を示しているかを箇条書きにして整理するのもおすすめです。

 

第3問の形式とテーマ

3問目では、120語〜150語ほどの、複数の短いテキストが出題されます。一つのテーマについて異なる立場の議論を理解する力が試されます。

過去問では「書籍の映画化」について3人の意見と議論が出されています。そしてたとえば「書籍をもとにした映画は、読書を促す」といった内容に言及した人の名前を選びます。

第3問の解き方

第1・2問と同様、「誰が」「どのような立場から」「どのような意見をもっているか」を追いつつテキストを読みましょう。

注意したい点は、ひとつひとつのテキストが短い反面、言いたいことを理解する材料が少ないことです。

また「全体的には賛成だが、〇〇の部分は注意が必要」など、単純に「100%賛成」「100%反対」といった主張ではない微妙な意見の展開もしばしばあります。細部にも気を抜かずに読解しましょう。

取り組む順番

テキストの分量を見ると、第1・2問のほうが第3問より多く、じっくり取り組みたいところです。

先に第3問を解き、頭をならしてから第1・2問に取りかかるというのも一つの手ですね。

インターネット記事の活用

第1・2問については多くの場合、フランスのメディアの記事から出題されています。

例えばヴァン・ミニュット(20 minutes、フランス版)、フランス・アンフォ(France Info)などです。これらのメディアはインターネット上で無料の記事を配信しているので、「社会(Société)」などのカテゴリを見てみると良いでしょう。

どのように統計データやインタビュー文を挿入しているか、などの構成を学ぶのにも役に立ちます。フランスの地名や団体名などにも触れることができます。

 

まとめ

この記事では、DELF B2試験の読解問題を分析し、解法やおすすめの対策をご紹介しました。

読解は大きく分けて長文と短文の2パターン出題されます。長文のほうは、分量が多くても論理展開を正確に把握することが大切です。短文のほうは、異なる立場からの意見の違いを理解することが必要です。

どちらの問題も、過去問や参考書はもちろんインターネット記事も活用しつつ、日常的にフランス語での議論にふれると良い対策になります。レッスンでもぜひ、読解や問題演習をリクエストくださいね!

最新情報を要チェック

本シリーズの記事は、フランス国民教育省が公開している過去問(リンク)を参照しています。

時間や形式などは変更される可能性があります。受験生の方は最新の情報をチェックすることをお忘れなく!

次回の記事では、作文試験の内容と対策についてご紹介します。

執筆あお

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン