フランス政府が実施するDELF(Diplôme d’études en langue française)B2は、中級者向けのフランス語能力試験です。
外国語能力のレベルを示す指標として用いられているCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)によると、B2レベルの学習者は、自分の意見を主張し議論や交渉を行うことができます。
具体的にはどのようなレベルなのでしょうか。また、どのような試験なのでしょうか?
(DELF/DALFの詳しい内容については、こちらの過去記事「フランス語検定試験DELF/DALFとは?(1)」「フランス語検定試験DELF/DALFとは?(2)」 をご覧ください。)
中級者向けのフランス語能力試験
ヨーロッパ言語共通参照枠CEFRによると、B2レベルをもつ学習者は、長い議論や、筆者の視点が表れた文章を読むことができます。また日常的には、母語話者と問題なくやりとりができ、自分の関心事だけでなく時事ネタなども詳しく説明することができます。
同時に、関心のあるテーマに関する文章や、賛成・反対の意見を含むエッセイなどを書くことができます。
フランス留学への第一歩
DELFは無期限で有効の資格です。そのため一度取得すれば、就職や進学など必要なタイミングで一定のフランス語能力があることを示すのに役立ちます。
また仏検と比べるとフランス語圏の国々を中心に広く知られているため、国際的な能力証明として通用します。
とくにDELF B2の合格証明は、フランス語圏の大学に登録するために必要な語学試験の免除要件になっています(コースによっては、DALF C1が求められる場合もあります。詳しくはCAMPUS FRANCEのサイトをご覧ください)。
DELF B2試験の実施概要
DELF B2試験はフランスはもちろん日本をはじめ世界各地で実施されており、毎年多くのフランス語学習者が受験します。
日本では全国のアンスティチュ・フランセ(東京・横浜・大阪・京都・福岡・沖縄)や、アリアンス・フランセーズ(札幌・仙台・名古屋・徳島)で試験が実施されます。
例年は春季(3月末、5月末〜6月あたま)と秋季(11月あたま)の2回行われます(※日本フランス語試験管理センターの専用ページでご確認ください)。
DELF B2試験の内容
DELF B2は「筆記試験」と「口頭試験」に分かれています。会場によっては2日以上に分けて試験が行われることもあるようです。
試験は4セクションにわかれ、試験時間・問題数・点数配分は以下の通りです。
「筆記試験」
―リスニング(Compréhension de l’oral):約30分、3題、25点満点
―読解(Compréhension des écrits):60分、3題、25点満点
―作文(Production écrite):60分、1題、25点満点
「口頭試験」
―口頭表現(Production orale):約20分(準備時間30分)、1題、25点満点です。
4つの項目を合計し100点満点中の50点以上で合格となります。ただし各セクションで最低5点は取らねばなりません。
DELF B1との違い
DELF B1と比べると、読解と作文の試験が15分長くなり、それぞれ1時間ずつの分量になっています。
また口頭試験は準備時間が20分長い30分で、1題の長め(5〜7分)のプレゼンテーションをする形式で、B1までの試験から大きくレベルアップします。
フランスで勉強するためのステップ
今回紹介したDELF B2試験を突破するためには、日常的な話題や自分自身の関心事のみならず、新聞記事などの一般的な話題を詳しく理解する力や、自分の意見を正確に表現する力が必要だとわかりました。
そして試験は4つのセクションそれぞれまんべんなく得点できるように対策することが大切です。とくにB1試験から大きく形式が変わる口頭試験は、関門といえそうです。
次回は過去問の見方や参考書を紹介します。お楽しみに!
参照
日本フランス語試験管理センター DELF B2とは?
France Education International DELF tout public- niveau B2
CAMPUS FRANCE フランス語資格試験 DELF/DALF
執筆あお