今回はどこのレストランでも見かける定番メニューカフェ・グルマンとヴェリーヌのお話しです。定番と言っても、15年ほど前には存在しなかったメニューで、ここ数年の流行が定着したものです。人気の理由はどこにあるのか早速ご紹介します!
カフェ・グルマン
Café Gourmand(カフェ・グルマン)は、食後のエスプレッソにミニデザートが複数ついてくるもので、デザート盛り合わせと言ったところでしょうか。例えば、ミニチョコレートムースと、ミニマカロンと、ミニアイスクリーム、ミニクレームブリュレがついてきます。
大きなプレートに、エスプレッソとミニデザートたちが並んだ様は見た目も美しく、お値段的にも、お味的にも、得をした気分になる文字通り「食いしん坊」デザートメニューです。
このカフェ・グルマン、私が以前フランスに暮らしていた1990年代には、聞かなかった名前なんですよ。
ヴェリーヌ
verrine(ヴェリーヌ)は、アントレ(前菜)として出てくるもので、やはり15年前には聞いたことがありませんでした。フランス語では、verreはガラスを表し、-ineは指小辞です。
例えば、botteはブーツで、bottineになるとショートブーツです。
ヴェリーヌは、その名が示す通り、ガラスの小さな容器のことですが、ここではその容器を用いた料理のことを指します。
トマトのムースとツナとすり身だとか、スモークサーモンとリコッタチーズとアヴォカドだとか、多くの場合、何層かに分けて見えるよう、彩りよく作られています。小さなスプーンで食べるように出来ていて、もう少し欲しいな、という気分で食べ終わるくらいの量です。
層がポイントのヴェリーヌ
ヴェリーヌ容器を使ったデザートも、よく見かけるようになってきました。やはり、側面が見えることを意識したような、何層かに分かれたムースなどが多いようです。
ヴェリーヌの美味しいものを少しずつつまんでいるような感覚は、カフェ・グルマンにも通じるところがあります。考えようによっては、日本人の胃袋にも丁度いい感じのメニューが増えてきたとも言えるかも知れません。
次にフランスで食事をされるときは、是非みなさんも召し上がってみてくださいね。
執筆:ゆき