フランスのパティスリーには、必ずと言っていいほど並んでいるお菓子があります。それがフラン(flan)。 子供から大人まで愛され続けている伝統的なスイーツです。 今回は、パリで話題になっている最新のフランをご紹介します。
フランってどんなお菓子?
フランは牛乳、卵、砂糖、小麦粉をベースにしたカスタードを厚めのタルト生地に流し込み、オーブンでじっくり焼き上げたもの。フランにも色々な種類があって、日本のプリンに近い表面もぷるんとしたもの、表面は焼いてあってカリッとした皮になっているものなどあります。表面がこんがりしているのは、フランパティシエ(flan pâtisier)やフランパリジャン(flan parisien)、ファー・ブルトン(Far Breton)と呼ばれるものです。シンプルながらも奥深い味わいが魅力です。
筆者が初めてフランを食べたのは、フランスに来て間もない頃。カスタード生地の独特な弾力と濃厚なたまごの風味が新鮮でした。食べ応え満点で、一切れでお腹が満たされたのをよく覚えています。フランスのブランジェリーやパティスリーでは定番中の定番で、1ピースから気軽に買える手軽さも人気の理由です。
洗練され進化するフラン
かつてはバニラ一択だったフランですが、近年はチョコレート、キャラメル、ピスタチオなど、多彩なフレーバーが登場し、SNSでも話題になっています。
さらに最近は、抹茶やゴマといった和のフレーバーを取り入れるお店も登場。抹茶フランは鮮やかな緑色にほろ苦い香りとカスタードの優しい甘みが絶妙に調和し、 ごまフランは香ばしさとコクが加わって、ごまが従来のフランとはひと味違う新しい魅力を引き出しています。こうした新フレーバーは、新たな定番として定着しつつあります。
最新フランが味わえるお店
パリ15区の「Boulangerie Paris & CO」(4 rue de la Convention, 75015 Paris)では、抹茶、黒ごま、ピーカンナッツなど、バニラ以外のフレーバーが充実(バニラ以外のフレーバーは日曜日のみの販売)。また、4区の「Nèulo Epicerie」(46 rue Sainte-Croix de la Bretonnerie, 75004 Paris)では、チョコレート×ピスタチオやチョコレート×ココナッツなど、2種のフレーバーを組み合わせた創作フランが楽しめます。他のパティスリーやブーランジュリーでも、オーナーの個性が光るアレンジフランに出会えることがあるかもしれません。
まとめ
フランはフランスの食文化を象徴するスイーツのひとつ。
伝統的なフランはもちろん、和の素材や斬新な組み合わせを取り入れた進化形まで、選択肢はますます広がっています。パリを訪れた際は、マカロンやショコラだけでなく、ぜひフランの食べ比べも楽しんでみてください。
ただし食べ応えがあるので、食べ過ぎにはご注意を!
執筆:たかこ