フランス観測史上もっとも気温の高い6月 エアコンなき猛暑対策いかに?

2025.06.27

2025年6月27日(金)、今週は南西フランスですでに一時40℃が記録されるなど、今年の6月はフランス観測史上もっとも気温の高い6月になった、とフランス気象庁は発表しています。今週末、南仏13県に対し、猛暑警報の中でも2番目に深刻なレベルである「オレンジ」が出されています。この熱波は北上し、パリ市のピークは30日(月)、1日(火)で最高気温が38℃に達する予報がでています。

 

熱波が徐々に北上しパリなどピークは週明け

フランス気象庁によると、北アフリカからくる熱波の影響で、地中海の表面水温が上昇しているため、特に最低気温が高止まりし、寝苦しい夜が続く、と発表しています。

今週末地中海沿岸部では、熱波が滞留し、最高気温は35℃から38℃で推移しますが、内陸部ではさらに高くなる恐れがあります。この熱波は、週明けにかけ徐々に中央フランスから北フランスへと広がっていきます。

すでにピレネー=オリアンタル県(Pyrénées-Orientales)、エロー県(Hérault)、ガール県(Gard)、ブーシュ=デュ=ローヌ県(Bouches-du-Rhône)の南フランス4県はオレンジ警報がでており、明日には9県が追加されます。

フランスで最も山火事の多いブーシュ=デュ=ローヌ県では、すでに複数の局地的な山火事が発生しており、大規模な山火事を想定したアクセスの確保などの準備が進められています。

同県ではさらに、県内にある26の森林山塊のうち14が進入禁止になるなど、厳重な対策が取られています。

マルセイユ市(Marseille)は、猛暑警報の間、公営プールを無料にし、クーラーの入っている公共施設の位置を示した地図を公開しています。

 

フランスのエアコン普及率は約25%程度

フランスの総世帯数は約3,000万で、推定で約25%程度、約750万世帯にエアコンが設置されていると見られています。この数字からもわかるように、ほとんどの一般家庭にはエアコンがありません。

そもそもアパートを含む建物には設置するための排気口がありません。

フランスの古い建物は石造り、それ以外はほとんど鉄筋コンクリートでできており、設置のハードルはかなり高いのですが、それでも近年、南仏を中心にエアコンの設置が進んでいます。

今回の猛暑が始まった19日ごろから、フランス各地で扇風機や冷風機、置き型クーラーなどの販売が急増しています。

パリ市内などで道路に面した商店でよく見かけるのは、ポータブルエアコンですが、ドアを半開きにして排気管を外に出し、路上に熱風をまき散らしているケースがほとんどです。

一般のアパートでは窓から排気管を出しているところもありますが、その数は今のところかなり限定的です。

フランスのおすすめ「エアコンなき猛暑対策」は?

連日のように、自治体やメディアはエアコンなしでできる猛暑対策をアピールしています。

その一例として、朝部屋を換気した後は夜気温が下がるまで窓は閉め切っておく、水をたくさん飲む、扇風機の後ろに氷をぶら下げる、クーラーのある公共施設やプールに行く、公園などでは日陰にいる、定期的にフェイスミストを利用する、さらに、アルコールの摂取を控えるといった基本的なことです。

フランスの猛暑、2000年以降急増

気象庁によると、今月19日からフランス全土を覆う今回の猛暑は、来週水曜ごろまで続くと予想されています。今回の全国的な猛暑は、フランスにおける気象観測開始の1947年から数えて50回目にあたりますが、2000年から数えると33回目にあたります。

近年、猛暑の回数が急激に増えているだけでなく、暑さの度合いも増しています。

今年の夏はまだ始まったばかり、気象庁は7月、8月の本格的な夏に向け注意を促しています。

執筆:マダム・カトウ

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