フランス 今年の観光収入8%増、夏の予約も好調 パリ五輪効果か

2025.06.24

パリ五輪2025 聖火台ルーブル美術館側からみたパリ五輪2024の聖火台(2024年8月筆者撮影)

2025年6月24日(火)、フランスの今年4月までの観光収入は、前年対比8%増と好調なスタートを切っています。またこの夏の予約も大幅増で推移しており、昨年大成功を収めたパリ五輪の効果が顕著に表れていると評価されています。一方、フランス会計検査院(Cour des comptes)は、パリ五輪に使われた「膨大な」公的資金の概算を発表しました。

 

外国人からのフランスの観光収入8%増、独、蘭、西が

今年1月~4月末までの間に、フランスを訪れた外国人観光客が使ったお金は214億ユーロ(約3兆6015億円/1ユーロ=約168円)、前年対比で8%増加したと、フランス観光省は発表しました。

この大幅増をけん引したのは、ドイツ(+25%)、オランダ(+24%)、スペイン(+15%)と欧州近隣国でした。ちなみに、イギリス人観光客からの観光収入はマイナス18%の大幅減となりました。

 

夏の予約も好調、牽引するのはフランス国内客

この夏6月~8月のハイシーズンの宿泊予約は昨年同時期比で16%増、キャンプ場などの予約は1.6%増で今のところ推移しています。

海外からの観光客も4.7%増となっています。

大幅に増えているのは、デンマーク、スエーデン、オーストラリア(+15%)、次いでカナダ、中国(+10%)で、アメリカ(+3%)も増加傾向にあります。

海外からの観光客、「集客増よりより収入増」を重視、観光相

デラットル観光相(Nathalie Delattre)は、フランス有力紙のインタビューに答え、「より多くの観光客に来てもらうことは必要だが、特に重要なのは彼らにより多くのお金を使ってもらうことだ」と述べ、「フランスの価値を向上するための戦略に取り組む必要がある」との見解を示しています。

パリ五輪2024へのノスタルジー、フランス人の30%この夏「パリ訪問したい」

夏の旅行者数は何といっても国内のバカンス客が主力ですが、フランス旅行業連盟が行った世論調査によると、「パリ五輪の雰囲気を味わいに、この夏パリを訪問したい」を示した回答者は3割に達しています。

さらに、「年内にパリを訪問する」と答えた人は33%に達しています。

この夏も、9月14日までパリ五輪の気球型の聖火がチュイルリー公園で毎晩見ることができます。

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パリ五輪に使った公的資金はいくら?

フランス会計検査院は、パリ五輪に使った公的資金の第一回目の算出を終え、総額で約60憶ユーロ(約1兆99億円)だと発表しました。

内訳は、運営費用27憶7000万ユーロ(約4,663億円)、開会式及び閉会式が市中開催とあって特に膨大になったセキュリティー費用14憶ユーロ(約2,357億円)、選手村の建設やメトロ14号線の延長工事費用などを含むインフラ整備費用が31憶9000万ユーロ(約5,379億円)でした。

フランスオリンピック委員会(COJO)が使った費用の総額は44億ユーロ(約7,399億円)で、当初の予算を7,600万ユーロ(約128億円)オーバーしています。

費用のほとんどは民間から調達とオリンピックの運営資金を調達する公的機関、Solideo (Société des livraisons des ouvrages olympiques) によるものです。

2017年に設立された同機関の資金の一部に税金が注入されています。

昨年の五輪が高くついたのか?経済波及効果で帳消しになったかは、今年1年間の観光収入等の結果で明らかになるでしょう。

今回初めて五輪の公的資金拠出額が公表されましたが、フランスが主催する2030年冬季オリンピックの費用算出の参考にされると見られています。

執筆;マダム・カトウ

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