寄付活動で社会参加が身近なフランス!手軽に少額からできる支援あれこれ

2025.01.29

ボランティア Food2011年に起こった東日本大震災。私は東北を支援する活動をしたのですが、そのとき、フランス人は支援の1つである寄付にとても慣れているということを知りました。フランスに住んでみて感じるのは、寄付やチャリティが特別なものではなく日常にあり、気軽に参加できることです。今回は、普段フランスではどのような寄付活動がおこなわれているかを紹介します。

 

誰でも参加しやすい!食品購入で寄付活動

フランス のミニスーパー週末のスーパーで食料品をお裾分け

金曜日や土曜日の週末にスーパーへ行くと、食料を必要としている人に届ける慈善活動の人たちが、入口のところで買い物客に小さいチラシを配っている姿をよく見かけます。チラシには、コーヒー、おむつ、パスタ、缶詰など、そのときに必要としている食品と日用品が書いてあります。

つまりこれは、自分の買い物と同時にリストの品を一緒に買うことで寄付に参加できるシステムなのです。参加は義務ではありませんが、自分の買物のついでに1つや2つ追加で買うだけなので簡単なシステムと感じ、私は毎回参加しています。

自分の買い物が終わったところで、フードバンクのスタッフに品物を渡せば終了です。リタイヤ世代や学生がチームとなってボランティア活動をしており、笑顔でチラシを渡し、商品を受け取ることに専念しています。

お金の寄付だと金額に迷ってしまいますが、品物なら自分の差し出したいものをリスト内から選び、代わりに購入するだけ。これなら簡単に社会貢献ができますね。

身近な食べ物を販売!障害のある方の活動支援

つい最近、大型スーパーで買い物を済ませ建物を出ようとしたところ「おいしいブリオッシュで障害者の活動支援に参加してくれませんか?」と声をかけられました。見ると、いくつもの黄金色のブリオッシュがテーブルに並んでいます。私がボランティアの人の話を聞いていると、他のマダムも加わり和やかな雰囲気になりました。

このNPO団体は、障害のある人たちがさまざまな活動に参加できるように資金を集めています。業者から仕入れたブリオッシュを販売して障害がある人たちの活動費用にあてるという仕組みです。これまで、集まった資金でマリンスポーツに挑戦したり、パラリンピックの観戦などを実現してきたようです。

ブリオッシュは朝食やおやつでいただく身近な食べ物なので、買って帰って家族と一緒に食べることで話題にもなり、情報が拡散され宣伝効果も高いと感じました。微力ですが、買うことで支援ができるので手軽に参加できますね。

 

家でも街でも気軽に参加できる寄付とは?

消防士さんからカレンダーを購入する寄付

消防士消防隊は各地域におり、地域の安全を守ってくれる大切な存在。以前、「フランスの師走の風物詩!街で気軽に参加できる寄付活動をご紹介!」でも取り上げましたが、12月になると、地元の消防士がカレンダーを持って家にやってきます。

カレンダーは金額が決まっていません。自分が出したい金額を渡して、消防士さんがお礼としてカレンダーと領収書を置いていくという仕組みです。ここで集められたお金は、消防士がケガなどを負ったときの本人や家族への福利厚生、地域社会への寄付、防災キャンペーンなどにあてるそうです。

カレンダーのデザインは各自治体により異なりますが、日々の消防隊のトレーニング、消防士の集合写真、活動の記録などが写真で掲載されています。また、子供向けに塗り絵のページもあり、毎年デザインを変えて登場します。

フランス人のお家に行くと、消防隊カレンダーを冷蔵庫やトイレでよく見かけます。コンセプトや写真は地域によって変わるので、それを見比べるのもおもしろい!

訪問するという形をとることで、各家庭の住人とコミュニケーションがとれますし住人の様子もチェックできるメリットもあるのかもしれません。

支払い時にできる少額の寄付

フランス カード決済イメージ

フランスでは、普段の買い物はカード決済が主流となっています。そのとき、お店によっては買い物と同時に寄付に参加できるシステムがあります。

例えば、店員さんから「お客様のお支払いは48.5€ですが、寄付に参加して50€で決済してもよろしいでしょうか?」と声をかけられます。購入者は、了解のウィ( oui ) 、または了解しないノン ( non ) と答えるだけ。とてもシンプルなシステムです。

レジの横には、寄付先の写真や活動の説明書きがある場合が多いです。寄付するにしてもしないにしても、少額なので参加する側の心理的な負担はほとんどないといえます。支払う金額も端数が出ない金額になるので、おかしなものですがすっきりした印象を受けます。

 

募金箱はあれど寄付もデジタル化へ移行?!

郵便局やお店によっては、募金箱が置いてあるところがあります。箱にはピエス・ジョーヌ ( Pièces Jaunes ) と書かれ、「黄色い小銭」という意味です。これはパリのフランス病院財団が母体となっている慈善活動で、フランスで募金箱というとこの黄色い箱が思い浮かぶくらい認知度が高いものです。

ペーパーレス化で寄付ができる取り組みも!

ペーパーレス化がスピーディーに進められているフランスで、ガス会社のおもしろい取り組みを見つけました。請求書をペーパーからデジタルに変更されるお客様に代わって、ガス会社がピエス・ジョーヌに2ユーロの寄付をするシステムです。

資源削減のためにペーパーレスを!というよりも、環境保護と医療施設の向上の両方に役立っているということで、お客さんとしても満足感が得られるようです。

 

まとめ

フランスでは、金額が少なくても気軽に簡単に寄付に参加できるように、いろいろな工夫がされていると感じます。寄付は社会をよくするための行動の一つなのでしょう。実際に多くのフランス人が自然に寄付をしています。国民が社会参加するツールとして、ボランティア活動や慈善事業が活発なフランス。今後もまた新たな寄付の形が出てくるかもしれませんね。

執筆 YUKO

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