今回はフランスで増えてきている便利なショッピングの仕方をご紹介します。インターネットを使った買い物はここまで手軽になっているのか!と驚きます。いつか日本でもこの形式が主流になってくるかもしれませんね。
買い物もドライブスルーの時代?
2014年の春、フランスの町のあちらこちらで子供の顔のアップに台詞のついたポスターが目立っていました。そのうちの1つ、女の子の台詞がこちらです。
「もうレジでグズるのはおしまいだって、ママが言うの」
http://blog.lebondrive.fr/2014/03/happy-birthday-chronodrive/
この広告主は、クロノドライブ(Chronodrive)。インターネットで買い物をして、指定した時刻以降に指定した店舗へ行けばトランクに商品をすべて入れてもらえるというサービスの「店」です。
クロノドライブを立ち上げたのは大型スーパーマーケットチェーン店の大物オーシャン(Auchan)グループ。フランス語でイペルマルシェと呼ばれる大型スーパーマーケットは、60年代にカルフールを筆頭にルクレール、オーシャンなど多く作られました。
私がフランスに住み始めた90年代は、小さな町の店で買い物をするのは車のない人かお年寄りくらいで、共働きの家族は、毎週土曜郊外の大型スーパーマーケットで、大きなカートにあふれるほど買出しをするという光景がごく普通だったように思います。
現在でも週末は買い物客でレジがごった返す大型スーパーマーケットですが、ここに来てインターネットを使って商品のピックアップにだけ「ドライブ」を利用する人が増えてきました。
ここでいう「ドライブ」は、インターネットで選んだ商品を特定の場所で車から降りずにピックアップするサービスを意味します。この外来語、「R」の音だけフランス風にしてそのまま「ドライブ」と発音します。
ドライブサービスが人気の理由
2004年のクロノドライブに続いて、ルクレール、カジノ、モノプリ、カルフールなどのマーケットもドライブサービスを始め、今ではフランス国内に3000ものドライブ店舗があります。これだけ流行る背景にはインターネットやスマートフォンの普及もありますが、以下の理由が大きいでしょう。
・基本的にフランスが車社会であること
・共働きが普通であるため、宅配はかえって受け取りにくい
あとは、スケジュールに縛られずいつも能動的に行動したいというフランス人の性格も関係するのでは…と個人的に感じています。合理的なフランス人にはピッタリのシステムかもしれませんね。
執筆 ゆき