フランスチームの予選:15日ドイツ戦、19日ハンガリー戦、23日ポルトガル戦(時間はフランス時間)
6月15日(火)、昨年開催が予定されていたサッカーEURO2020は、今年ようやくEURO2021として開催にこぎつけました。本日フランスチームの初戦となる対ドイツ戦がミュンヘンで開催されます。フランス人サポーター達は、コロナ禍による規制下にもかかわらず、欧州各国で開催される試合の観戦に出かけています。
フランスチームの応援、問答無用の《条件》をクリアしドイツのスタジアムへ
本日フランス時間21時キックオフ、ドイツ戦の応援にフランス人サポーター約2000人がミュンヘンまで駆けつけています。
この日のために、彼らはまず主催者UEFAから送られてくる数十通のメールに注意深く目を通し、その指示に忠実に従わなくてはなりません。
南西フランス、トゥールーズ(Toulouse)から来たというオレリアン(Aurélien)とヴァレリー(Valéry)の二人は、まずドイツ入国に必要な出発72時間前のPCR検査(入国後、抗原検査)を受け陰性証明をもらって来ました。
準備は大変だけど、「ブルー(Les Bleus :フランスチームの愛称)が勝つためなら平気」とコメントしています。
観戦前の再検査、時間指定入場
リヨン(Lyon)から来たというティエリー(Thierry)は、ドイツのホテルに到着時、フロント係に「観戦するためには入国72時間前の検査だけでは不十分で、24時間前のものが必要」と言われ、慌ててホテルの近くの検査場を探さなくてはなりませんでした。
ようやく検査を終え陰性証明をもらいましたが、フランスでは無料で受けられる検査にドイツでは29ユーロ(約3800円/1ユーロ=約133円)の費用がかかりました。
こうしてようやく会場に入る「資格」を入手したわけですが、当日スタジアムにはキックオフの3時間前に到着しなくてはなりません。
ティエリーの入場時間帯は18時から18時30分というたった30分の間に指定されており、「1分でも遅れたら」問答無用で入場出来ません。
EU圏内なのに、国ごとに違う入国条件と観戦条件
フランスの熱烈なサポーターヴィクトール(Victor)は全ての試合を観戦するつもりです。
ワクチン接種を終えているため24時間前の検査は免除され、接種を証明するブレスレットがスタジアムで配布されます。
ところが、フランスが属するグループFの次の試合が行われブダペスト会場(ハンガリー)では、ワクチン接種証明はPCR検査免除の根拠として認められていません。
ファン「フランスが優勝するなら何でもやる」、英開催の決勝観戦には自主隔離5日間
ティエリーは、「国ごとに条件が違うのでややこしい。ワクチン接種でOKな国もあれば、ダメな国もある。でも、もう過去1年ぐらい、何かしようとすると全てがややこしくなっているから仕方がない。最終的にはフランスチームが優勝すればこういった全ての苦労は報われる」と熱く語っています。
ちなみに、準決勝と決勝が行われるのはロンドン会場ですが、イギリスに入国するには入国後5日間の自主隔離が要求されます。
一方、フランスでのテレビ観戦も、全国的に最高気温が30度を超える中盛り上がりを見せています。
スポーツ相、カフェでのテレビ観戦に夜間外出禁止違反を容認
現在フランスでは23時以降夜間外出禁止が導入されていますが、本日の試合は21時に始まるため、どんなに早くても終了は23時頃になってしまいます。
先日、ダルマナン内務大臣は「サッカー観戦でも例外はない」と発表していましたが、今朝のラジオ番組に出演したスポーツ相ロクサナ・マラシネアーヌ(Roxana Maracineanu)氏は、「スポーツバーやカフェでテレビ観戦する人たちは、フランスの試合を最後まで見届けたら速やかに帰宅すればいい」と、夜間外出禁止違反に目を瞑る発言をしています。
スポーツ相はさらに、「ルールはルールだが、それにこだわって偏狭になることもない」と理解を示し、「先日の全仏オープンテニスの準決勝(ナダル対ジョコヴィッチ)も、23時過ぎに終了したが、ファンは最後まで試合を観戦することが特別に許可された」と、大試合に例外的な配慮があったことを明らかにしました。
これを受け内務大臣は「時間の延長には目を瞑るものの、10人以上で集まったり、暴れたりする人は厳しく処罰する」と発表しています。
執筆:マダム・カトウ