仏検準2級は、3級までに比べてより実践的なフランス語の能力が求められます。3級はフランスに旅行して買い物できる程度でしたが、準2級はさらに一歩進んで日常会話ができるレベルが目安です。
仏検を主宰するAPEFによる過去3年間のデータを見ると、仏検準2級の合格率は60%前後。ですから、身構えずにしっかりと勉強していけば合格をめざせるでしょう。
そこで、仏検準2級の概要と筆記試験のポイントを解説していきます。仏検準2級は、フランス語上級者への前段階としてとても大切な級です。ここでポイントをおさえて、勉強に取り組んでみてくださいね。
仏検準2級の概要
まずは、仏検準2級の問題の構成を説明します。
・筆記試験(75分)設問7つ 配点70/100点
・書き取り・聞き取り試験(25分)設問3つ(書き取り1つ、聞き取り2つ) 配点30/100点
仏検3級までとの大きな違いは書き取り試験があることです。
また、仏検3級までは休憩がありませんでしたが、準2級からは筆記試験と書き取り・聞き取り試験の間に休憩が20分入ります。筆記試験だけでもかなりの長丁場です。時間配分を考えて、集中力を切らさないようにしたいですね。
【ポイント1】前置詞はひたすら覚える!
仏検準2級の問題では、設問1に前置詞が登場します。仏検3級よりも難易度が上がるため、解答に悩む問題が増えてくるかもしれません。
そんな場合は、確実に分かる問題から答えていくことが大切。というのも解答に同じ前置詞は2回使えないため、一つ間違えると芋づる式に他も間違えてしまうリスクがあるのです。
前置詞は、とにかく覚えるしかありません。そのためにもしっかりと過去問や対策問題集で確認しておきましょう。
【ポイント2】記入問題は言い回しと動詞の活用
仏検準2級の筆記試験のうち、設問2と3は記入問題です。簡単な言い回しと動詞の活用が出題されています。
設問2の言い回しの問題は、日常会話でよく使われるものがほとんど。こなれた会話ができるようになるためにも、単語帳を使ってしっかりと覚えていきましょう。
設問3は言い換え問題です。AとBの文をよく読み、Aと同じ意味になるようにBの文に当てはまる動詞を選択して活用させます。ですから、Aの文章の意味をしっかりと理解しなければなりません。なぜなら、意味が分からないとBの正しい動詞が選べないからです。
過去問から
過去問を例として挙げてみます。
(例)
A:Patrice n’avait aucune envie d’aller à l’étranger.
B:Patrice ne ( ) pas du tout aller à l’étranger.
この例題で大切なのは envie の意味が分かるかどうか。avoir envie de〜 で「〜したい」という意味になります。選択肢のなかで「〜したい」に当てはまるのは vouloir です。
動詞の活用形は、Aの文がヒント。Aでは avait と半過去が使われているので、Bも vouloir の半過去 voulait になります。
せっかく正しい動詞が選べても活用を間違えたらもったいないので、動詞の活用もしっかりと覚えておくことが大切です!
【ポイント3】さまざまな代名詞を覚える
設問4は短い会話文の受け答えで( )に当てはまる解答を選択するもの。会話をよく読み、どの代名詞を入れるべきかを考えます。
慣用表現として使われるものを覚えていれば、答えが導き出せることがあります。
過去問から
過去問を例として挙げてみましょう。
(例)
― Cette route est fermée à cause de la neige.
― C’est un problème( )je n’avais pas pensé.
この場合に注目したいのは penser という動詞。「〜について考える」は penser à 〜 となります。つまり( )には「à」を含む関係代名詞 auquel が正解です。
問題集をやりながら、代名詞の使い方に慣れていきましょう。
【ポイント4】文章問題はきちんと文を読む
仏検準2級の文章問題は3つあります。
設問5は長文の( )に当てはまる慣用句や接続詞を選択する問題です。まずは文章をよく読み、全体の意味を把握します。前後の文のつながりを考えて、解答を選択していきましょう。
設問6は長文読解です。長文の内容が各問題の文章と一致しているかどうかを問われます。長文と問題の文章をしっかりと読み、否定文などに引っかからないようにするのがポイントです。
設問7は質問と答えからなる会話文を完成させる問題です。質問文に( )があるときは答えを、答えに( )があるときは質問文をよく読んで解答を導き出していきましょう。
ポイントをつかんで仏検準2級の合格をめざそう!
仏検準2級は、仏検3級のときよりもさらに単語数が増え、覚えなければならない動詞の活用も増えます。過去問や対策問題をしっかりとやり、問題の傾向に慣れるようにしてくださいね。あまり気負わず、コツコツと勉強していきましょう!
アンサンブルフランセでは、仏検準2級に対応したレッスンが可能です。分からないところはレッスンで講師に質問して、仏検に向けて準備を整えましょう。
執筆:こと