2月21日(金)、低迷を続けていたコート・ダジュール(Côte d’Azur)の観光客が2019年久々に増加に転じました。
2002年から17年ぶりの増加
昨年のコート・ダジュールを含むアルプ=マリティーム県(Alpes-Maritimes)およびモナコ(Les Alpes-Maritimes et Monaco) のホテルの宿泊数が、2002年以来初めて1000万泊を突破しました。
アルプ=マリティーム県の地方観光局(CRT:Comité régional du tourisme)によると、2019年は、2018年10月から1年以上続いた《黄色いベスト運動》(Le mouvement des Gilets jaunes )による毎週土曜日に行われたデモの影響で国内の消費欲が下がり、また国際的にもフランスのイメージダウンにつながったため、フランスの観光業にとっては厳しい年でしたが、観光客の数を維持することができています。
日本人観光客20%増
宿泊数全体の伸びは1.5%にすぎませんが、最も伸びたのが日本からの観光客で20%増、次いでロシアが9%増でした。一方、中東からの観光客はマイナス26%と大幅減となりました。
ホテルの中で観光客増の恩恵を最も受けたのは4ツ星や5ツ星など高級ホテルで、稼働率が65%と2001年以来の高水準でした。
外国人で最も多いのはイタリア人
国内外の訪問者シェアで見ると、フランス国内からの観光客が伸びる一方、海外の観光客のシェアは全体の58%で2017年から2ポイント下がっています。
外国人観光客の中で最も多かったのはイタリア人で、続いて英国&アイルランド人、そしてアメリカ人でした。
ニース空港へ直行便増
2019年の観光客増の要因として、ニース(Nice)空港への直行便の増加も挙げられます。
特に中国、アメリカ、ロシアからニースへの直行便が増えたことから、フライトを利用してコート・ダジュールを訪れた人は前年比+9%の大幅増となりました。
観光客増も消費は冷え込み
コート・ダジュールに来る人の数は増えたものの、一人当たりが滞在中に使う金額は減っています。昨年、滞在1日当たりに75ユーロ(約9000円/1ユーロ=約120円)以上使った観光客の数は、2013年以来初めて50%を切っています。
執筆:マダム・カトウ