1月23日(水)、フランス南西部で開催された第46回アングレーム国際漫画祭(Festival international de la bande dessinée d’Angoulême)で、高橋留美子さんが日本人歴代2人目となるグランプリを受賞しました。
高橋さんは「らんま1/2」「うる星やつら」などの漫画やアニメが日本のみならず海外でも人気の作家です。
アングレームは漫画の聖地
パリ(Paris)から南西に電車で2時間半、ボルドー(Bordeaux)からは電車で1時間のところに位置する街アングレームは、1974年から国際漫画祭を開催していることで知られています。
街のランドマークである「国際フランス漫画館(Cité internationale de la bande dessinée et de l’image)」には、国内外から多くの人が訪れます。この博物館は、フランソワ・ミッテラン(François Mitterrand)政権下で文化大臣を務めたジャック・ラング(Jaques Lang)氏の呼びかけで設立されました。
国際漫画祭とは
アングレーム国際漫画祭では、4日間にわたり漫画の見本市や作家によるサイン会などが行われます。
その中心的イベントが、前年度にフランス国内で発売されたバンド・デシネ(la bande dessinée)の最優秀作品を決めるコンペで、一般部門や新人部門などに分かれています。
原作の言語に関わらずノミネート作品が決定されることから、世界中の漫画家が注目する一大行事です。
ちなみに日本の「漫画」は、フランス語でもle Mangaと直訳されていますが、イラストと台詞が組み合わせられたフランス独自の漫画は「ベーデー(BD)」=「バンド・デシネ(la bande dessinée)」と呼ばれます。
フランスでも人気の高橋留美子さん
高橋さんは「うる星やつら」で1978年にデビュー以降、人気作品を次々に発表しています。2017年には、『週刊少年サンデー』(小学館)が2億万部のヒットを記念して特集号を組みました。
その名声は1980年代から90年代にかけて、「めぞん一刻」(フランス語版のタイトルは「Juliette je t’aime(ジュリエット、愛してる)」)の漫画をきっかけにフランス国内で広がり、今では世界中で人気を集めています。
日本人では2015年に初のグランプリを受賞した大友克洋さんに続き、2人目のグランプリ受賞です。
執筆あお