フランス語のレッスンを受けていると、よく先生方からアドバイスをいただくことがあります。「フランス語のテレビやラジオをたくさん見たり聞いたりしましょう」というものです。けれど実際に聞いてみても「全然ネイティブ・スピードについていけない」ということはよくある悩みだと思います。
ネイティブ・スピードについていくために効果的な勉強方法はあるのでしょうか?
話のテーマを理解するには
私もフランスへ来て間もない頃は、現地のテレビやラジオから流れるフランス語が音の洪水のようにしか聞こえず、悩んだ記憶があります。「音の洪水をただ聞き流しているだけで本当にリスニング能力が上がるのか?」と不安に思いました。
そこで始めたのが文と文の切れ目をみつける練習でした。実は、これはフランス語会話の内容全体を理解するためにもとても大切なことなんです。
フランス人は会話において重要なテーマは最初に議論して、枝葉のテーマは後半で議論するようです。
そしてフランス語の文章でも大切な内容は文頭に話す性質があります。一文の中で最も重要な「誰が何をした」が文頭にきて、「どんなふうに」などの修飾部分は後の方に続いていく構造になっています。つまり文頭が分かれば、その部分を集中して聞き取ることで話の大まかなテーマが理解できるようになるのです。
どうやったら文章の切れ目が見つかるの?
文章の切れ目を見つけられるようになるためには、フランス語の抑揚を身につけておくことが役に立ちます。文章というのはどの言語でも、ある程度決まったリズムと抑揚があります。例えば日本語では、文の始めや中盤に比べて文末は音程が下がり調子になり、音が弱くなって「~です。~でした。」と締めくくられます。若者の流行り言葉には違う傾向もあるかもしれませんが、NHKニュースなどを注意して聞いてみると分かりやすいと思います。
しかし、この日本語の傾向はフランス語には当てはまりません。フランス語はフワフワと音程が上がっていって文章が終わることも多く、次のフレーズへのつなぎも間をおかずに流れるように入っていくことも多いのです。
子ども向けの番組もよい教材
初級のころは、どんなに簡単な内容でも大人向けの番組は聞き取ることが難しく、やる気が萎えてしまうことも多いでしょう。そんな方には子ども向け番組がおススメです。
子ども向け番組をおススメする 3つの理由
・簡単で分かりやすい単語が使われている。
・大人向けの話し方に比べると一文が短い。
・文と文の間合いが長い。
ですから子ども向け番組は比較的文の切れ目が見つけやすいのです。子ども向けの映画やアニメもいいですし、子どもニュース「Journal des enfants」もいいでしょう。
自分の好みに合ったものを探し、文の切れ目を探しながら、フランス語を音楽的に聞いてみてください。切れ目が分かるようになったら、文頭の単語を集中して聞き取ってみましょう。どんなテーマについて話しているのか徐々にイメージできるようになるはずです。
「ネイティブ・スピードについていけない」という悩みの攻略法、次回は中級・上級者向けをご紹介します。
執筆:マナミ