次回に続き、ナントで私たちが訪れたのは“Les Chants d’Avril”(レ・シャン・ダヴリル=四月の歌)というこじんまりとしたビストロ。場所もナントの中心街からロワール川を挟んで対岸の、住宅地といってもいい場所にあります。
ナントで評判のレストラン
街の中心からは少し歩くけれど、「美味しい!」と評判ならば行くしかありませんよね。ここのビストロ、味の良さはもちろんのことメニューが面白いというので知られています。
黒板に手書きされた「今日のメニュー(Le menu du jour)」には、前菜(l’entrée)、主菜(le plat)、デザート(le dessert)それぞれ3品ずつあるのですが、3つに1つはMystère(秘密)と書いてあります。つまり「出て来てからのお楽しみ♪」ということで、どういう料理なのか注文の段階では分かりません!魚か肉か最低限の情報だけはおしえてくれますが、あとはシェフの腕を信じて待つのみです。
面白いシステムだと思いませんか?私は好き嫌いが多いのでMystèreは遠慮しましたが、友人がメインに挑戦しました!
まずは私が頼んだメインを紹介
「イカとチョリソの炒めもの、アスパラガス入り」
フランスでは最近チョリソ(スペイン発祥のソーセージ)と魚介類の組み合わせをよく見かけます。特に白身魚など淡白な素材はチョリソのスパイス風味とよく合うのでしょうね。私もタラとチョリソの組み合わせは時々やります。イカとのコラボレーションは初めて食べましたが、とても美味しかったです。
友人がメインに頼んだMystèreはこちら
「白身魚のポワレ、ズッキーニのレモン風味添え」
「ポワレ」(poêlé)というのはフランスの調理法のひとつ、「フライパンでこんがり焼いた」という意味です。写真を見てもわかるように綺麗に焼き色がついていますよね。一口味見させてもらいましたが、レモンの風味と酸味がちょうどよく、さっぱりしていて美味でした。Bonne surprise!と友人も喜んでいました!
デザートは・・
「苺のバニラ風味と自家製の苺ソルベ」
「ソルベ」(du sorbet)もフランス語ってご存知でしたか?日本ではシャーベットのことですね。苺づくしの贅沢なこのデザート、一口一口味わっていただきました。ちなみにフランス人は苺を洗ってそのままではなく、少量の砂糖で和えてしばらく置いてから食べる人が多いです。日本の苺と比べると少し酸味が強いからかもしれませんが、こちらの苺も負けず劣らず美味しいですよ。
ちなみにフランスの最高級苺はPlougastel(プルガステル=ブルターニュ地方最西端にある町)産で、マルシェでは日本のデパ地下ばりに宝石のように輝きを放っています(お値段も…!?)。
あとがき
というわけで、ナントは日本人に有名な観光地というわけではありませんが、美しい市街地とミステリアスで美味しいビストロがある、そんな素敵な街でした。機会があれば是非訪れてみてくださいね。フランスは地方都市もそれぞれに見所満載です。A bientôt !
執筆 Miwa