フランスの出生率はここ数年減少傾向ですが、2023年の統計では678,000人の新生児が誕生しています。では、フランスでは赤ちゃんを迎えるとき、どのような準備が必要なのでしょうか?今回は、日本では馴染みのないフランスならではのベビーグッズや妊娠・出産祝いの定番プレゼントなどを紹介します。
”フランスならでは”の出産前の準備とは?
赤ちゃんを迎えるにあたり、いろいろな準備が必要になってきます。ベビーベッド、着替え、入浴グッズなどを徐々に揃えていくのを楽しむ家族も多いでしょう。
フランスでは、赤ちゃんのための部屋を作るカップルがとても多いです。基本的に、子どもは生まれて間もない頃から自分の部屋で寝かせる傾向にあるフランスでは、お部屋作りは大切な作業です。
部屋にはベビーベッド、服を収納するチェスト、おもちゃ、そしてもう一つ…フランスならではのものを用意します。それは、おむつ替えの台またはマットレスです。独立したおむつ替え用の家具や洋服用のチェストに、専用マットレスを置いて使ったりしています。
フランスでは床に直接座る慣習がないため必需品らしく、多くの家庭で見かけます。腰を痛めずおむつ替えができて良いですが、高さがあるため赤ちゃんをベルトで固定しないと落下の危険性があるので要注意です。
出産祝いに人気のブランドベビー服
日本では、出産直後の赤ちゃんが着る肌着は産院が用意してくれる場合が多いですが、フランスでは家族が事前に用意しなければいけません。出産前に肌着やロンパースなど、生後0ヵ月用の服を数枚用意しておく必要があります。
また、出産後に親戚や友人が赤ちゃん誕生のお祝いに産院に駆けつけるのはよくあること。写真を撮る機会も多いので、お好みのベビー服で記念の写真を残せるといいですね。
ベビー・幼児服で人気のPetit Bateau
ベビー服のブランドで根強い人気といえば、日本でもおなじみのプチバトー( Petit Bateau )です。しっかりした生地で幾度の洗濯にもくたらず、色使いや洗練されたデザインも素敵です。プチバトーの店舗は多くの街で見つけることができるので、それだけ信頼されているベビー・幼児服メーカーなのでしょう。
ベビー服のプレゼントは、日本と同様にフランスでも人気です。店舗に行くと、多くの人が出産祝いのベビー服を買いに来ているのが伺えます。何を贈るか迷ったら、ベビー服ははずれがないのでおすすめです。
フランスのベビー服は、足もすっぽり入るつなぎタイプのロンパースやカバーオールが主流で、フランス人にとってはパジャマのような感覚です。やがて、お外でお散歩できるようになると、ヘアバンドやサングラス、靴もきちんと履かせて大人顔負けのおしゃれコーデをしている赤ちゃんも見かけます。
・プチバトーの公式サイトはこちら
フランスで定番人気の育児グッズ3選!
フランスでよく使われている、赤ちゃんの成長をサポートする定番グッズを3つ紹介します。出産祝いのプレゼントにもおすすめです。
1.赤ちゃんの健やかな成長のお供 健康手帳グッズ
フランスでは出産を機にもらえるのが、健康手帳( carnet de santé )と呼ばれるA5サイズの手帳です。母子手帳としての役割も果たしており、検診の記録やワクチンの情報、そして成長と健康の記録が記されます。小児の間はドクターの診断を受けるときに、必要なので大事に扱いたいもの。
小学校に上がっても、予防接種の情報提供に健康手帳のコピーの提出が求められることも多いです。長く使われるため、健康手帳用の布カバーやケースはプレゼントにも最適です。
2.歯の生え始めのむずむず期の味方 キリンのソフィー
フランスでソフィーといえば女優のソフィー・マルソー( Sophie Marceau )さんが有名ですが、他にも世界的に人気のソフィーが存在します。その名も、キリンのソフィー( Sophie la girafe )。
キリンのソフィーとは、ゴムでできたキリンのおもちゃです。赤ちゃんがかじっても安全で、歯の生え始めのむずむず期をサポートしてくれる頼もしい味方。フランスの赤ちゃんは、必ず持っている定番品といえるでしょう。
・キリンのソフィーのプロフィール
1961年 フランスで誕生
身長18センチ
100パーセント自然ゴム
世界85か国で販売されているフランスの赤ちゃんのおもちゃのロングセラー商品
キリンのソフィーの公式サイトはこちら
3.足を優しく守る 靴下またはベビー用スリッパ
フランスでは玄関というスペースをきちんと設けていない住居も多く、靴のまま室内に入ってもとがめられることは少ないです。ですが、フランス家庭の多くでは室内履きに履き替える習慣を持っています。室内を素足だけで歩き回るのがあまり一般的ではないため、足を保護する意味でも靴下やスリッパなどの室内履きは大切なアイテムの1つなのです。
もちろん、ベビー用の室内履きもあります。手編みの靴下をプレゼントでいただいたこともありますが、以前フランス人の知り合いからの出産祝いで初めて知ったのが、赤ちゃんや幼児向けの皮のスリッパです。
柔らかい素材でできており、足首がゴムになっているので脱げる心配がありません。デザインも動物をベースにしたものが多くかわいらしいです。かさ張らず持ち運びにとても便利なので、とても重宝しました。
まとめ
国の習慣によって、定番品や贈り物にも違いがあるのが興味深いですね。フランスの大型スーパーにはベビーグッズコーナーが設けられており、多くのアイテムを取り扱っています。多くの新生児が産まれているので、ベビー関連のマーケットは需要があるからでしょう。また別の機会に ”出産を通して発見できるフランス” についてレポートしたいと思います。
執筆 YUKO