2023年8月18日(金)、2020年のコロナ禍で激減したパリ空港の利用客数はほぼ回復し、今年7月、フランス国内、アフリカ線が中心のパリ・オルリー空港(Aéroport d’Orly)利用客数がコロナ禍前の2019年同月の数を超えたと、パリ空港を運営するADPグループ(Groupe ADP)は今週発表しました。
パリ2空港利用者数、7月980万人、4年前の92%
パリにある二つの空港、シャルル・ド・ゴール(Aéroport de Paris Charles De Gaulle)およびオルリーの今年7月の利用者数は、前年対比で7.5%増となり、ほぼコロナ禍前2019年同月の水準に達しようとしています。
オルリー空港、2019年7月対比で3%増、アフリカ線が牽引
両空港のうち回復が目覚ましいオルリー空港発着便の先月の利用者数は320万人、19年同月比103.1%とコロナ禍前の水準を初めて超えました。
同空港発着便は、フランス国内線、中距離、グアドループ(Guadeloupe)、レユニオン(Réunion)などフランス海外県及び海外領土(通称DOM-TOM:France d’outre-mer)、アフリカ線が中心ですが、中でもアフリカ行きは3年前と比べ11.7%増えています。
一方、主に国際線が発着するド・ゴール空港の利用者数は660万人、19年同月比で88.5%と3年前に激減した利用者数の回復に時間がかかっています。
その理由として、同空港を発着するアジア線の利用者数が19年比73,2 %と、他の路線より回復が鈍いことが挙げられています。
フランス行き、前年対比でも8.8%減
フランス発の回復が順調なのに対し、フランスに到着する便の利用客は、回復に向かっていた前年から後退し、コロナ前の19年7月と比べると26%減となっています。
パリ2空港の運営は、フランス政府が株式の5割強を保有するADPグループ(旧パリ空港公団)が行っています。
同社はフランスのみならず海外にも進出し、ニューデリー(インド)、サンチアゴ(チリ)、アンマン(ヨルダン)など約30都市の空港運営事業も行っています。
ちなみに、同社が運営するこれらの空港利用者数は、主にインド各地の空港が牽引し、19年比で98.6 %まで回復しています。
執筆 マダム・カトウ