欧州宇宙機関 フランス人の宇宙飛行士を選出 女性では約20年ぶり

2022.11.24

11月23日(水)、欧州宇宙機関 (Agence spatiale européenne, ASE)は宇宙飛行士のリストを発表し、フランス人のソフィ・アデノー(Sophie Adenot)さん含む17名が選ばれました。

 

ESAが事業計画を発表

加盟国22カ国からなるESAは今回、向こう3年間の事業計画を発表しました。この計画にかかる予算は約170億ユーロ(=約2億4600万円)だといいます。

そしてESAは、来春の飛行訓練に参加できる宇宙飛行士5名を発表しました。
・ソフィ・アデノー(Sophie Adenot、フランス)
・パブロ・アルヴァレス・フェルナンデス(Pablo Álvarez Fernández、スペイン)
・ローズマリー・クーガン(Rosemary Coogan、イギリス)
・ラファエル・リエジョワ(Raphaël Liégois、ベルギー)
・マルコ・ズィーバー(Marco Sieber、スイス)

ESAはこの5名のほかに、計画次第で訓練に参加する11名の宇宙飛行士も発表しています。

また、今回は、身体障がいのある宇宙飛行士として初めて、イギリスのジョン・マクファール(John McFall)さんが宇宙飛行士に選出されました。

フランスから最も多くの候補者

ESAによると、選考は、医学的な試験や、身体能力、面接など2021年2月から行われ、約2万5000名の応募者がありました。

応募者の出身国では、フランスが最も多く(7000人)、次に多かったドイツ(3695人)を大きく離しています。

 

フランス、20年来の女性飛行士が誕生

今回選出されたアデノーさんは、2001年に2度目の宇宙飛行から帰還したクローディ・エニュレ(Claudie Haigneré)さん以来2人目のフランス女性の宇宙飛行士となります。

ベテランのエンジニアかつパイロット

アデノーさんはこれまで、ヘリコプターのコックピット専門のエンジニア、またフランス軍で空挺車両「カラカル(Caracal)」のパイロットとして活躍してきました。

仕事への情熱は、フランス空軍で活躍していた祖父や、キュリー夫人(Marie Curie)の伝記、また女性飛行士の先輩となるクローディ・エニュレ氏から影響されたといいます。

アデノーさんはすでに3000時間以上、ヘリコプターの操縦歴をもちます。アフガニスタン派遣や、敵地での脱出したまたは負傷したパイロットの捜索・救助ミッションに参加した経験、さらには、大統領や大臣など要人のヘリコプターを操縦したこともあるベテランです。

パワフル!

フランス国内では、ヘリコプターの試運転を初めて行った女性として知られ、2021年5月には空軍中佐(lieutenant-colonel)の称号を獲得しました。

プライベートでは、現在1児の母であり、趣味でパラシュートやグライダーにも乗るといいます。

同門のペスケにつづく

アデノーさんは2004年、国立宇宙高等学院(l’Ecole nationale supérieure de l’aéronautique et de l’espace, Isae Supaero)でエンジニア資格を取得しました。

国立宇宙高等学院は、2021年に同じフランス人で宇宙飛行から帰還した、トマ・ペスケ(Thomas Pesquet)さんなども輩出している名門です。

執筆あお

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