パリ五輪マスコット「フリージュ」 フランスで人気続くワケ

2025.08.05

2025年8月5日(火)、大好評だったパリ五輪の閉会から1年が経ちました。開会式の市中開催にはじまり、セーヌ川での競技開催など「異例続き」で世界の注目を浴び、競泳をはじめとするフランス選手の大活躍、完璧な治安維持で、フランス国民の間ではいまだに良い思い出として語られています。その余韻からか、大会マスコット「フリージュ」(Phryge)人気は冷めず、中にはコレクターもいます。

 

「フリージュ」のマスコット、300万個製作

パリ五輪オフィシャルマスコットを製作、販売した2社のうちの一社、ドゥドゥ・エ・コンパニー(Doudou et Compagnie)社は、大会終了後も人気が絶えず、昨年12月はクリスマスバージョンのフリージュを製作して販売し、年末まで売れたそうです。

同社によると、昨年9月の時点で143万個、1年たった現在、通算200万個以上のマスコットが販売されています。

当然、オリンピックの感動が冷めると、マスコットはフランス最大の中古マーケット「ル・ボンコワン」(le boncoin)やヴィンテッド(Vinted)で販売されはじめました。ピークはクリスマス前の1ヵ月で約500体のフリージュが掲載されましたが、今年1月になるとほぼなくなっています。

これについて、ル・ボンコワン社は「マスコットを手元に置いておくことにした」のではないかとみています。

一年たった今も売れ続ける、パリ五輪マスコット

大ヒット商品は、ニット帽とぬいぐるみで、自社のオンラインショップで、いまだに毎日1~3個程度売れており、「1つも売れなかった日は、二週間前に1日あっただけ」、と同社も驚いています。

 

おもしろい表情、ちょっと変、五輪の「感動」再び

単なるぬいぐるみと違うのは、フリージュによって「パリ五輪」というイベントによって得た「感動」がよみがえることです。

メディア20ミニッツ(20 minutes)が読者向けに行った「パリ五輪のフリージュをまだ持っていますか?」の調査結果では、多くの「愛好家」が存在し、いまだに大事にしているようです。

その一人、45歳のギヨームさん(Guillaume)は、「マスコットのぬいぐるみはうちのソファーにすわっています」し、五輪期間中に購入したグッズはどれも大事に持っています。

「歓喜にあふれ、軽やかだった」あの夏の思い出、今年になって購入も

理由は、大会で感じた「民衆の歓喜」「友愛感情の高まり」が思い起こされ、多分このような感動的な体験をすることは「自分の人生の中で再びないのではないか」と思っているからだと述べています。

「パリ五輪はすばらしかった」というセリーヌさん(Céline)は、親子でグッズを集め、娘の部屋は「パリ五輪のミュージアムのようになっている」ようです。

ドゥドゥ・エ・コンパニー社は、グッズが昨年の「歓喜にみちた」出来事、純粋に楽しめた「夏の軽やかさ」など、ノスタルジーを引き起こしていることがロングセラーの要因だとみています。

開会式をコンコルド広場で見たという20代のルイ(Louis)さんは、ステージで踊るフリージュの着ぐるみをみて、このおちゃめなキャラクターに「一目ぼれ」したそうです。いまでも3体のぬいぐるみとキーホルダー、ランチョンマットを持っています。

五輪が開催された昨年には全く興味がなかったにもかかわらず、最近フリーマーケットで子供が売っているのを見かけて買ったという53歳のアンヌ=ソフィー(Anne-Sophie)さん、「アトリエに飾って毎日見るたびに幸せな気分になり、笑みがこぼれるんです」と、このマスコットのもたらした効果に満足げです。

 

「スポーツイベントを超えた」━五輪が与えた強烈な印象は「一生もの」

フリージュの大ファンで100個以上のグッズを集めているという、40歳のシリルさん(Cyril)は「我が国で開催された最も強烈な印象を与えたイベントで、スポーツの範疇をこえている」とコメントしています。この青い目のキャラがかわいらしいだけでなく、「意味のある」ものであることを物語っています。

ほかにも、7体のぬいぐるみの「親」だという30代の夫婦、フリージュに手編みのマフラーを作ってあげたという20代のルイーズさん(Louise)も熱狂的なファンです。

フリージュを旅行に同伴

さらに、アナイス(Anaïs)さんのように、旅行やイベントにぬいぐるみを連れて行き、写真をとって家族で楽しんでいる人もいます。

日本への旅行では、東京の日本オリンピックミュージアムで記念撮影、ツールドフランス観戦にも同行させています。次はアムステルダム、ロンドンに行くことになっています。

筆者には「何をするにも意見がわかれ、なかなか一丸になることがない」という印象のフランスですが、パリ五輪ほどフランス国民が一体感をもち、ほとんどすべての人が「良かった」という出来事は他にはないのではないかと思います。

せひ再現してほしいものです。

執筆:マダム・カトウ

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