ローマ教皇レオ14世誕生 仏の戦勝記念日と重なった歴史的瞬間

2025.05.09

2025年5月9日(金)、昨日8日、ローマ教皇レオ14世(Léon XIV)が選出されたことをうけ、マクロン大統領をはじめ。フランスの政治家らが次々とコメントを発表しています。この日は奇しくもフランスの戦勝記念日、欧州における第二次世界大戦終戦80周年記念セレモニーが凱旋門で行われました。

 

レオ14世の第一声は「平和」、第二次大戦終戦から80年

5月8日はヨーロッパ戦勝記念日、第二次世界大戦において連合軍がナチスドイツを降伏させた日として、フランスでは1945年戦勝記念日(Fête de la Victoire de 1945)とよばれ祝日になっています。

例年この日はセレモニーが行われますが、今年は終戦80周年とあって、式典の最後にはシャンゼリゼ大通りの上部から凱旋門直下にある記念碑までのパレードが行われました。

マクロン大統領、終わりなき「戦争の亡霊」に警鐘

マクロン大統領はこの日の演説の中で、現在もロシアのウクライナ侵攻をはじめとする世界各地で続く国際紛争を受けて、「戦争の亡霊」や「全体主義的な振る舞い」が(独立した)主権国家の権利を「踏みにじっている」と警鐘を鳴らしました。

17時45分の記念式典開始からほどなく、ヴァチカンでは新しい教皇が選出されました。

 

新ローマ教皇へ「平和と希望」期待のメッセージ

マクロン大統領は式典後、「カトリック教会とその信者にとって、歴史的な瞬間」であると投稿しました。

その中で、「レオ14世、フランスのカトリック信者及び世界の信者に向け、親愛のメッセージを贈ります」と述べたうえで「5月8日というこの日に、新教皇の在任期間が平和と希望をもたらすものとなりますように」と期待を込めた祝辞をおくりました。

アメリカ生まれのレオ14世、父はフランス人、母はイタリア人

バイルー首相は、教皇の出生や経歴にふれ「フランス人の父とイタリア人の母からアメリカのシカゴで生まれ、ペルーで20年暮らし、ローマへ。貧困層や労働者に寄り添った教皇レオの名を拝受した新教皇により、世界にいる10億人の信者に、国境をこえて平和への希望と友愛をもたらすだろう」と述べています。

アタル元首相も、「平和」を第一声に発した新教皇がカトリック信者だけでなく、人類全体の心を動かすことを願うと投稿しています。

極右も極左も「歓迎」では一致

移民、難民を擁護する立場を明確にとった故フランシスコ教皇とは相いれない、反移民政策を前面に出す極右、国民連合党(RN)の前党首マリーヌ・ル・ペン(Marine Le Pen)氏は、新教皇が「平和」を第一声として発したことを歓迎し、ローマ教皇の言葉と影響力でヨハネ=パウロ2世(注)のごとくそれが達成されることを願う」と投稿しています。

(注)ヨハネ=パウロ2世は、ポーランド出身の第264代ローマ教皇、独裁政権下にあった東欧の反共産主義、民主化運動の精神的支えでした。教義的には女性の聖職者を認めないなど伝統路線を逸脱せず、保守的だったと言われています。

トランプ派とは対極、左派歓迎

極左、不服従のフランス党(FI)創設者、ジャン=リュック・メランション(Jean-Luc Mélenchon)氏は、教皇名レオン14世となったロバート・フランシス・プレボスト(Robert Francis Prevost)枢機卿について、

「トランプを支持しないアメリカ人で、フランスの苗字を持ち、スペイン語を話す新教皇の第一声が平和」であることを歓迎しています。

プレヴォ枢機卿は、今年2月、アメリカ副大統領が聖アウグスティヌスの教えを移民排除の正当化に悪用するという物議を醸す発言をしたことを受け、「JD・ヴァンスは間違っている。イエスは私たちに、他者への愛に優先順位をつけるよう求めてはいないのです」と批判する投稿をしていました。

執筆:マダム・カトウ

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