パリ空港の手荷物検査場 もうすぐ「荷物開けて」は過去の話に

2024.03.12

2024年3月12日(火)、パリ空港の手荷物検査場で、最新鋭の3Dスキャナー検査装置の導入が進められています。導入完了は今のところ一部の検査場に限られますが、今後徐々に検査場で荷物を開けたり、液体をビニール袋に入れたりする手間から解放されそうです。

 

爆弾と美容保湿クリームを見分ける、高解像度3Dスキャナー

ヨーロッパ発着フライトで100ミリリットル以上の液体の持ち込みが禁止になって久しいですが、禁止になった理由を覚えていますか?

事の発端は2006年、イギリスでテロリスト20名ほどが液体状の爆弾の不法所持で逮捕された、テロ未遂事件でした。

テロリストたちは、ロンドン発アメリカ行きフライトの約20便に、各自機内の手荷物として爆弾を持ち込み、爆破させる計画を立てていました。

この事件以降、イギリスおよび欧州各国で100ミリリットル以上の液体物の機内持ち込みが禁止されました。

あれから18年、従来型の検査装置では液体状の爆弾とホホバオイルの見分けもつかないことから、乗客は検査場で荷物を開け、指定の大きさのビニール袋に入れた液体物を取り出したり、装置の反応次第では個別に手荷物を開けて係員にチェックされたりすることが当たり前になっていました。

医療で使われる技術を利用

イギリスに本社を置くスミス・デテクション(Smiths detection)社が開発した最新鋭の3Dスキャナーは、医療用のCTスキャンなどに使われる「コンピューター断層撮影」(TDM:tomodensitométrie)技術を使用しています。

同社は、「爆弾を自動的に検出する」画期的な装置であると発表しています。

ちなみに同社の親会社で現在巨大なグローバル企業のスミスグループ(Smith group : 19世紀設立)は、医療機器をはじめとし様々な分野の精密機械を製造しています。

 

検査時間3割減、先行のローマ・ダヴィンチ空港、液体ルールも撤廃

パリに先駆け、ヨーロッパのいくつかの空港では3Dスキャナー検査装置の導入が進み、その性能は実証済みで、しかも検査時間は約30%短縮されます。

乗客にとって待ち時間が短縮されるだけでなく、係員の負担も大幅に軽減されます。

イタリアではテスト運用で確かな手ごたえを感じ、ローマ、レオナルド・ダヴィンチ空港(aéroport Leonardo-da-Vinci)のすべてのターミナルへの導入が決まっています。

さらに同空港では、導入済みターミナルの手荷物検査場に限り、機内持ち込み液体の100ミリリットル上限ルールが廃止されました。

この検査装置をいち早く導入したイギリス北東部のティーズサイド国際空港(aéroport de Tesside)、オランダのスキポール空港(Schipol)でも同様に撤廃されています。

 

パリ2空港、五輪めどに導入も、液体ルールは変わらず

オルリー空港(aéroport d’Orly)で1台テスト導入したパリ空港公団(Aéroports de Paris : ADP)は、今年のパリ五輪をめどに2台追加を決定、さらにシャルル・ド・ゴール空港(aéroport de Paris Charles de Gaulle)の4つのターミナルに各2台ずつ導入すると発表しています。

ただし、パリでは導入後も、液体物の機内持ち込み上限100ミリリットルのルール撤廃に関しては慎重で、今のところ予定はありません。

液体ルール、環境省次第

パリ空港公団は、ルール撤廃の判断はフランス環境省(ministère de la Transition Écologique et de la Cohésion des Territoires)管轄の民間航空管理局(Direction générale de l’aviation civile (DGAC))によって下されるとしています。

ちなみに環境省は本件については見解を発表していません。

フランス発着便の利用には、今まで通り機内持ち込み手荷物の液体物は100ミリリットル以内、最新型の検査装置がないところは、さらに小さいジップロック型のビニール袋に入れてわかるように手荷物検査時に荷物から出す必要があります。

執筆:マダム・カトウ

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