前回はパリジェンヌが好きなボーダーTシャツについて語りました。今回は甲を飾るちいさなリボンがかわいい、バレエシューズのお話です。
価値あるバレエシューズとの出会い
パリにいると、いろいろな場所でバレエシューズが売られているのを目にします。百貨店や靴屋はもちろん、雑貨ショップやスーパーマーケットの衣料品売り場で見かけることも。なかでも下町のブティックの軒先やおじいさんがひとりで経営しているような古い靴屋では、誰もが知るブランドのバレエシューズとは違う、特別なものに出会うことがあります。
特別といっても、決して他のものより優れているわけではありません。しかし、自分なりの価値あるものが手に入ることも。それは価格だったり、素材だったりしますが、店主との楽しい会話のひとときもそこに加わるのではないかと思うのです。
プチプラのバレエシューズも魅力的に
パリ生まれのバレエシューズにレペット(Repetto)があります。やわらかなレザーで仕上げられたバレエシューズは、足に心地良くフィットし、1度履いたら手放せないと日本人の間で人気です。もちろんパリジェンヌにも愛用者は多いようですが、決してリーズナブルな靴とはいい難く、何足もというわけにはいきません。
彼女たちの足元を見ていると、バレエシューズ率が高いとわかります。しかし、それがレペットであることは比較的少ないように思えるのです。ちいさな靴屋の椅子に腰かけバレエシューズを試着する彼女たちが選んでいるのは、革素材でも比較的リーズナブルなものや合皮素材のプチプラ商品だったり。それでも、おしゃれに履きこなしている姿を見ると、あえてリーズナブルなものに注目したくなるから不思議ですよね。
価格や素材に関係なく、自分の足に合った履き心地の良い1足を見つけたときは、色違いで揃えるのがおすすめです。ワードローブの定番はそのようにして作られていくのでしょう。
パリと日本「見せる足元コーデ」の違い
パリジェンヌにとってバレエシューズは、スニーカーと同じ日常靴。春夏は素足で履き、寒くなる秋は極薄手のタイツを合わせて履くこともあります。
一般的なコーディネートはスキニーパンツとの組み合わせ。肌が見える甲部分に何ともいえないセクシーさを感じることがあり、さすがパリジェンヌだなと見入ってしまいます。甲を見せるか見せないかで、足元に宿る女性らしさが異なるのです。
ただしブーツへと切り替わった冬になると、履いている人をほとんど見かけませんが・・。
日本人も同じようにバレエシューズを素足で履くことはありますが、白ソックスを合わせてレトロな足元を演出したり、厚手のリブタイツと合わせたりして、季節を問わず楽しみます。比較的どんなテイストの洋服にもマッチする靴ですが、デニムに白ソックスを合わせ、黒や赤のバレエシューズを履いたコーディネートが人気です。「足元コーデ」という言葉が旬な、日本ならではの着こなしといえますね。
もしパリジェンヌの足元を参考にバレエシューズを選ぶときは、足指の間が見えるくらい履き口が浅いタイプがおすすめです。素足で履いたとき、よりセクシーに見せることができますよ。
パリジェンヌに一歩近づいてみる
バレエシューズが持つかわいさ、フォルムの美しさは永遠の憧れです。パリジェンヌのように「甲見せ」を意識すると、彼女たちに一歩近づけたような気持ちになるかもしれません。
次回は、大きめポーチのパリ流活用法などについてお話させていただきます。
執筆 KUMICO