映画で楽しくフランス語のワンフレーズを学びましょう!今回は日本でもヒットしたフランス映画「アメリ」を取り上げます。「アメリ」を見て、フランスに興味を持ったという方も多いのではないでしょうか。第一回目は以下の会話のシーンのワンフレーズから voir の使い方をご紹介します。
アメリと同僚の会話でvoirを学ぼう!
アメリはカフェの同僚と常連客との愛のキューピットになり、二人を結びつけようとします。なぜ常連客がいつも同じ席に座るのかを、アメリがタバコ売り場のカウンターで働く同僚に気づかせようとようと企むシーンです。
アメリ : Qu’est ce que vous voyez là ? (あそこに何が見える ?)
同僚 : Ben mon tabac. (タバコ)
アメリ : Il manque rien. (ちゃんと陳列されて、何も欠けてないわね)
同僚 : Ben non. (そうね)
アメリ : Faites un effort. (もっとしっかり考えてみて)
同僚: Ben non, y’a pas, j’vois pas. (何もないわよ、わからない)
アメリ : Bon ben, je vous laisse réflechir. Bonne nuit. (よく考えてみて、おやすみ)
動詞voirの使い方1「見る」
動詞 voir はフランス語の日常会話でよく使われ、「見る」という意味があります。
冒頭の会話でアメリが « Qu’est ce que vous voyez ?»(何が見える ?)と同僚に尋ねます。ここの voir は「見る」という意味で使われていますね。では、「見る」という意味で voir はどのように使われ方をするのか一例をご紹介します。
【例】
夜の街を歩いていて、あなたは月が出ていているのを発見します。そこで一緒にいる人に以下のように聞きます。
Tu vois la lune ? (月が見える ?)
動詞voirの使い方2「わかる、理解する」
また、voir には「わかる、理解する」という意味もあります。アメリとの会話の中で、同僚は« j’vois pas »と話し言葉で答えていますが、正確には « Je ne vois pas. »です。
この« j’vois pas. »、« Je ne vois pas. »のフレーズは、どちらかというと「わからない」という意味で使われています。アメリが遠回しに”なぜこの常連客がいつも同じ席に座っているのか”を説明しようとするので、同僚はちょっと怒った風に、「わからない !」と答えているのです。
それでは「わかる、理解する」という意味の voir の使い方をみていきましょう。
【例】
あなたの恋人はもう何週間も会ってもくれず、電話をかけてもそっけない。「別れたいのか?」と聞いても、「違う」という返事がかえってくる始末。途方にくれたあなたは友達に相談します。そしてあなたは一言。
Je ne vois pas trop ce qu’il veut faire. (彼のしたいことがわからない)
さいごに
フランス語は一つの単語に複数の意味があるということが多く、その一例が voir です。アメリのような茶目っ気のある voir の使い方をしてみてくださいね。
執筆 北川菜々子