初めまして、香りアドバイザーのふみです。調香師という言葉の響きへの憧れをきっかけにフランスと出会い、この世界に飛び込みました。フランス語を学び始めた当時の目標はもちろん香水の都グラース(Grasse)へ行って香りを学ぶこと。
大学4年の時、夢見たグラースの香水学校で開かれる夏期研修を受講しました。大学の提携校ではなかったため、申し込みは私一人。下宿先の小さな部屋で台詞の紙をグッと持ちながら深夜の国際電話で行いました。フランス語専攻だったとは言え、当時まだまだ流暢とは程遠い会話レベル。「よくできたね」と、他人事のように思い出します。
そして、星の数ほどの香料に囲まれたグラース研修中に分かったことがあります。それは、その人その人に一番合う香りを見つけ出すアドバイザーになりたいということ。
大学卒業後はパリの香水学校と語学学校を往復する日々を過ごしました。そして大好きな香水ブランドで、アドバイザー研修生として働く機を得ることができたのです。当初は半年間の予定だった留学が1年また1年と延び・・・。そして運命の出会いを果たし結婚、出産。多くの人に助けてもらいながら、今では在仏10年までそう遠くなくなってきました。
そんな生活の中で常に私の側にある、香りというもの。それは香水だけとは限りません。時に日本の香(こう)であったりアロマテラピーであったり、姿を変え私を支えてくれています。香りが無くても人は生きて行くことができる。だけど、あったほうがずっと楽しい。それが、私の原点です。
フランスで毎日のように感じる香りの持つ豊かさを、これから皆様と分かち合えますことを光栄に思います。
執筆:ふみ