日本は新年度となる4月。その初日は言わずと知れたエイプリルフール、フランス語でいうところのPoisson d’avrilでした。毎年この日はお堅い新聞や雑誌、企業などがまことしやかにでっち上げたニュースを流すのが恒例となっています。去年のジョークについてはこちらにまとめましたが、どれも笑ってしまう出来栄えでした。
パリはジョークも洗練されている?!
今年はベルギーのテロ事件から日も浅く、ベルギーのメディアの中には「今年はジョークを出しません」と明言する記事を出したところもありました(こちらの記事)。
ベルギーではあるホテル経営者が、友人宛にツイッターで「うちのホテルで立てこもり事件!いま人質にされている!」というジョークを送り、それを真に受けた友人が警察に通報したため大騒ぎになったというニュースもありました。ジョークをひねり出す側も、時事問題を避けて考えなくてはいけなかった今年。そのせいか、例年と比べるとフランスでもふざけ方は比較的おとなしめだったような印象です。
そんな中、秀逸だったのがパリの交通機関RATPのジョーク。なんとメトロの13駅の名前を、こっそり変えたのです。
例えばメトロの駅名は
Opéra → Apéro
Télégraphe → #Tweet
Parmentier → Pomme de terre
Cadet → Rousselle
Monceau → Ma pelle
Pyrénées → Alpes
Alexandre Dumas → Les trois Mousquetaires
Château d’eau → Château de sable
Crimée → Châtiment
Quatre-Septembre → Premier avril
Saint-Jacques → Coquille
などなど。
OpéraがApéroになるのは、アナグラムといって文字を並べ替えて違う言葉にする手法です。そのほかの言葉もそれぞれ関連性のある変化となっています。ちょっと考えてみるのも面白いですね。
こっそりジョークを仕掛けていく様子 ※クリックすると別画面が開きます
まとめ
詳しい説明や利用客の反応を編集した動画は、こちらのRATP公式サイトから見られます。Premier avrilと名を変えたQuatre Septembreは、これから毎日名前を変えていく(2 avril, 3 avril, 4 avril….)など、大真面目な注釈が書いてあってつい笑ってしまいます。こんな駅名発見で始める一日は、笑いに満ちた日となりそうですね。
執筆:ゆき