連載でお届けしている「Dominiqueさんの関西珍道中」。フランス人観光客Dominiqueさんの初めての日本旅行に同行し、彼が興味を持ったもの、驚いたもの、困ったことなどについてお伝えしています。
昼食を食べに牛丼チェーンへ
前回は和歌山城を見学したDominiqueさん。これから、和歌山城の忍者さんに勧められた国指定名勝の元紀州徳川家庭園「養翠園」へと向かいます。GPSでは車で17分と表示されているので、和歌山城からはさほど遠くなさそうです。自転車に乗って、いざ出発!
猛烈な湿度の猛暑日
…とは言っても、この日は38度を超える猛暑日。ヨーロッパでも35度以上の猛暑日はあるのですが、日本のように湿度は高くありません。そのためこの猛烈な湿度と暑さに慣れていないDominiqueさんには辛いようです。
僕も5年間フランスで暮らしているうちにすっかり汗腺が退化してしまったのか、じりじりと照りつける太陽と猛烈な湿度に、頭がふらふらとしてきます。
一気に養翠園まで行きたいところですが、ちょうどお昼時でもあり、熱中症予防のために牛丼チェーン店へ入りました。
日本では当たり前の「ボタン」
Dominiqueさんはここで、あるものが気になります。日本のレストランや居酒屋では当たり前のように目にしているので、僕にとっては珍しくもなんともなかったのですが…。
嬉しそうに腕を伸ばしているDominiqueさん。その先にあるのは…
そう、注文が決まった時などに店員さんを呼び出す「呼び出しボタン」。あまりに日常にありすぎて全く気づかなかったのですが、これも日本独特のものなんです。
フランスの「給仕」事情は?
フランスをはじめとするヨーロッパ各国のレストランやカフェでは、基本的に各テーブルに担当の給仕さん、serveur (男性、ウェイター)/ serveuse(女性、ウェイトレス) がいて、よびたいときには手を挙げて声をかけます。
お店によっては、担当以外の給仕さんに声をかけた場合は、担当の方が来るのを待たなければいけないところもあります。この事情を知らずに「私たちが先に声をかけたのに、先にあっちを対応して、差別をされた」と思ってしまう観光客もいるようです。
注文が決まった時はメニューカードを閉じて給仕さんが来るのを待ち、基本的にこちらから呼び止めることはあまりしません(レストランによっては呼んでもいいところや、呼ばなければなかなか来ないところもあります)。
また、その担当の給仕さんが帰る時や担当が変わるときは、一旦その給仕さんが来てお会計を済ますことが多いです。覚えておくと便利ですね。
さっそくボタンを押しました
そんな国から来たDominiqueさん、このボタンに興味津々です。さっそく押してみることに。
おでこ冷却シートも日本ならでは
先ほどより「そんなことよりDominiqueさんのおでこが気になる」と言う声が聞こえてきそうです。
冒頭でも書きましたが、この日は38度を超える猛暑日。帽子をかぶっていてもじりじりと太陽が照りつけます。また炎天下を自転車で移動していて熱中症になるおそれもあります。そのためコンビニエンスストアで冷却シートを購入し、おでこに貼ることにしたのです。これにもDominiqueさんは大喜び。
実はこれも日本独特のものなんです。似たようなものはあることはあるのですが、このように便利グッズとして気軽に手に入れられるのは、日本ならではかも知れません。
牛丼チェーンで注文したものは
そんなDominiqueさん、一体なにを注文したのでしょうか?
韓国料理の石焼きビビンパ。日本料理じゃない旨を伝えると、少し残念そうでした。しかし世界中の料理が安く、そして美味しくどこでも食べられるというのも、日本独特の文化なのかもしれません。
この後は「養翠園」へ
石焼きビビンパでスタミナを充填して、この後は養翠園へ向かいます。続きは次回!
執筆 Daisuke