2015年1月7日・8日・9日と立て続けに銃撃や立てこもり事件が発生し、計17名の犠牲者を出したパリ同時テロ。パリ市民の様子はどうだったのか、またフランス国民はどう行動したのでしょうか。
Je suis Charlie
今回のテロが起こった背景には、フランスの風刺文化が大きく影響しています。前回も書いたように、SNS(ソーシャルネットワークサービス)ではプロフィール写真を「Je suis Charlie (私はシャルリー)」と変えたりしています。抗議集会でも「Nous sommes tous Charlie (私たちはみんなシャルリー)」と大きく書いたりしています。
Charlie というのは、最初にテロリストの襲撃を受けた風刺新聞社「Charlie Hebdo」のことで、フランスでは最も風刺が強いことでも知られています。その新聞社で有名な漫画家が同時に4名も殺されたことが、フランス人に大きな衝撃を与えています。
フランスには「風刺をすることで社会の問題点を明らかにする」という文化があります。そして今回のテロリストたちは、Charlie Hebdo を襲撃した理由を「預言者を馬鹿にしたから」としています。人によってとらえ方は違うので、この場で風刺についての議論はしません。ですがCharlie Hebdo の風刺記事と彼らテロリストの行動に大きな関係があるのは確かです。
言論の自由・表現の自由を守る
前回も書きましたが、この「Je suis Charlie」には犠牲者への追悼や新聞社支援の意味だけでなく、「テロなどによって言論・表現の自由は奪われることはない」「私たち表現者はテロなどに屈さない」という意味が込められています。
これはフランス国民にとって大きな意味を持ちます。言論・表現の自由はフランス人にとって非常に重要なのです。
現在僕のSNSの友人の多くの写真がほぼこの「Je suis Charlie 」となっています。
フランス全国で集会が行われる
Place de la République には連日のように大勢の人々が集まり、1月11日(日)にはフランス全国で集会が行われました。パリではこの国民集会のため、この日すべての公共交通機関が無料で利用できるなどの処置がとられました。集会では様々な国や思想の旗がはためき、民族や国籍・宗教など関係なく大勢が手を取り合い、声をあげました。
(写真提供・Paolo Dal Pra さん)
パリ同時テロ事件(5)へ続く
執筆 Daisuke