これまで数回に渡りお伝えしてきたこのシリーズも、いよいよ終わりが近づいてまいりました。まずはこのミッションを終えた感想を、Francisさんに聞いてみました。
パリのバリアフリー化はまだまだ
「この挑戦をしてわかったことは、障害者(des personnes handicapés ) 、特に私のような車いす利用者にとって、パリのバリアフリー化がまだまだ十分ではないということです。
一人で気軽に散歩して帰ってくる、ということは今の段階ではほぼ不可能です。案内の数もまだまだ少なく、事前に調べなければ入り口も見つけられません。
しかし人々の優しさに触れることができました。たくさんの方が本当に気さくに協力してくれたおかげで、無事に帰ることができました。素晴らしいことだと思います」
Francisさんが言うように、フランスのバリアフリー化は日本に比べてかなり遅れていると言わざるを得ません。デパートなどの商業施設では比較的進んでいますが、公共交通機関や道路などはまだまだ充分ではありません。
シャルル・ド・ゴール空港第1駅も
RER A線の車内路線図
RER B線の車内路線図
写真では見にくいですが、車いすマークがついている駅以外にはエレベーターがありません。この路線図によると、信じられないことにRER B線のシャルル・ド・ゴール空港第1駅にエレベーターがないのがわかります。これでは車いす利用者は気軽には利用できません。間違いであってほしいですね。
飲食店トイレは2階が多い
また、狭いパリでは多くの飲食店でトイレを1階(日本でいう2階)や地下に設置しています。ただでさえトイレを見つけるのが難しいパリで、飲食店ですらトイレを使えないのは本当に不便です。
第一回でもご紹介したような「歩道のスロープが片側にしかついていない」「スロープが途中で切れている」などちぐはぐなバリアフリーも、我々にしてみると大したことではありませんが、車いす利用者には大問題です。
視覚・聴覚障害者にとってもまだまだ
日本では当たり前になった券売機の点字表示は、こちらでは見たこともありません。電車では到着した駅名す らアナウンスされないことも多々あります。視覚・聴覚障害者にとってもバリアフリー化はまだまだです。
本当に障害者への配慮はないのか
しかし、だからといってそれがすなわち障害者への配慮がないということになるのでしょうか。最終回では、いよいよ核心「心のバリアフリー」に触れていきます!
執筆 Daisuke