フランス語が話せないまま渡仏してしまった僕が、どのようにフランス語を学んだのか。皆さんだけにこっそりとお伝えしている「秘伝の書」、今回が最終回です。
語学習得にいちばん大切なことは
これまでの方法は、あくまでも補助的な役割
今まで少し奇をてらったような勉強方法ばかりをご紹介してきましたが、「それで本当にフランス語が話せるようになるの?」、「それだけでフランス生活が困らないだけの語学を習得できるの?」そう疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
残念ながら、今までご紹介したような方法だけでは、発音がよくなったり耳が慣れたりはしても、語学力そのものが飛躍的にアップすることはありません。あくまでもフランス語力をさらに磨くための「補助的な役割」なのです。
大事なことは…
語学を学ぶ上で一番大切なことは、
・良い先生に出会うこと
・良い教材に出会うこと
・良い学習仲間に囲まれること
そして、
・学んだ語学を使う場所に巡り合えること
だと僕は思います。いくら勉強時間を重ねていても、良い先生に出会わなければ。教材が良くなければ。周りに刺激しあえる仲間がいなければ。そしてなにより、せっかく学んだ語学を披露する場所がなければ。
語学レッスンの思い出
僕も、5年間まったく自己流の方法だけだったわけではありません。フランス人のおばあちゃん先生のもとで多いときで週2回、個人レッスンに通っていました。それとは別に、パリの14区の移民を対象にした語学教室にも週4回通っていました。
これはおばあちゃん先生のところで学んでいたプリント。先生が作家であったため、Chateaubriand, Victor Hugo, Baudelaire, Valéry などの詩の読解、そしてそれらの詩についてまとめたプリントをテキストとして読んでいました。その当時は頭がパンクしそうでしたが、今では宝物です。
おばあちゃん先生も14区の先生も言葉遣いには非常に厳しく、また超がつくほど頑固…。そこでビシバシ文法と言葉遣い、若者が正しいと思って使っている言葉の間違いなどを叩きこまれたのです。
寿司の話題で言い合えるまでに
14区の語学教室には、アジア人は僕だけ。ほとんどがアフリカや中南米から来ている人たちでした。みな自由人で、宿題なんて絶対してこないし、平気で人の鉛筆や消しゴムを使ってるし、先生に向かって「なんでそんなに厳しくするのよ?!」なんて言うし…。
そんななか本来落ちこぼれであるはずの僕は、毎回真面目に出席するし、宿題はしてくるしで、オーストラリア人イケメンとポーランド人美女と並んですっかり真面目トリオとして定着していました。
そんな僕も2年目には、寿司の話題になると先生に向かって「あなたは日本のなにを知ってるんですか?!あなたはフランス人、僕は日本人です!」と言い合ったことも…。
フランス語教室で実際に使用していたノート
フランス語を披露する場を持つ
今はフランスに行かなくても、日本にいながらにしてSkypeでフランスの人とつながることができたり、さらにはレッスンを受けることもできます。
いろいろな教材があるなか、自分に合っているものを選ぶことはとても大事です。自分にはなにが必要なのか、なにが足りていないのかを把握し、それに応じた教材を選びましょう。
そして、自分が学んだフランス語をすぐさま披露する場を持つことも、とても大切です。言語交換会に行ったり、レッスンで自分のフランス語を披露したり。フランス語話者の友人や恋人を作るのもいい方法ですね。
いろいろ工夫してみましょう!
僕が夢見る青いネコ型ロボットが発明されるまで、あと85年以上あります。それまでの間は、やはり自力で語学を習得するしかなさそうです。
語学は一日にして成らず。しっかりと基礎を学び、並行していろいろな工夫をしながら、自分にあった勉強方法を探っていく。宝探しをしているようで、それも楽しいと思いませんか?
皆さんの面白い学習方法があれば、ぜひDaisukeにも教えてくださいね。
執筆 Daisuke