「所変われば品変わる」とはよく言ったもので、フランスに来た方、誰もが最初に日数の数え方に戸惑った経験があるのではないでしょうか。今回はフランスの数字の数え方や計算の仕方についてお話しします。
フランスの1週間は8日?
物の考え方やら捉え方、よくもこんなにヴァリエーションがあるものだというくらい、土地によって異なるものです。フランスでよく聞く表現「dans huit jours(8日後)」は、フランスでは1週間後を指すのです。
上の画像をご覧ください。柵に必要な材料を数える時、杭の数を数えるわけです。今日が日曜なら、私にとっては来週の日曜は、「板の数=7日後」なのですが、フランス人にとっては、「杭の数=8日後」となるわけです。同じ原理で、「2週間後=dans 15 jours(15日後)」とも言うことができます。
学校の休暇通知も、発想が異なります。例えば、2015年のクリスマス休暇について。私の感覚では、12月20日(土)から1月4日(日)までがお休みだと思ったのですが、こちらでは・・・
Du vendredi 19 décembre après la classe au mercredi 5 janvier 2015 au matin
(12月19日金曜日授業後より、1月5日月曜朝まで)と、通知されるのです。
フランスと日本 異なる数字の論理
この辺も、杭を数える感覚なのかしら、と思ったりしますが、なかなか慣れることができません。でも考えてみれば、もともと数字の数え方、計算の仕方からして日本とは異なる論理で学んできている国なのですから、これぐらいの違いは当然なのかもしれません。
例を1つ挙げてみます。小学校で習う割り算。144÷12の場合。英国風だと計算式は上のようになります。日本のやり方に似ていますね。ところが・・・
フランス式では上のように計算するのです。正直言って、どこがどうなっているのか、分かったようでよく分かりません。
順応力が養われる利点もある!
計算の仕方の違いは、大人にとっては笑い話でも子供にとっては死活問題。国を変わったり、システムの違う学校に変わることは、言語の問題だけでなく、もっと広い場面での順応力を要求されることでもあるんですね。
けれども、「所変われば品変わる」のが当然と思って対処すれば、驚くほど共通点が多いことに感動するのもまた事実。要はどこに視点を置くかの問題だと気付いてしまえば、案外どこも「住めば都」なのかもしれません。
執筆:ゆき