2026年8月28日(金)、来週からいよいよ新学期を迎えるフランスでは、失業保険や病欠に関していくつかの重要な変更が行われます。
合意による労働契約終了、失業保険期間が短縮に
企業と従業員が話し合いの末、双方の合意により無期限労働契約(CDI)を終了させる制度、法定合意解約(rupture conventionnel)を利用して雇用契約を解消した場合、失業保険の受給最長期間が9月1日より短縮されます。
従業員が55歳未満の場合は、現在の最長18カ月から15カ月に、55歳以上は22カ月から20.5カ月になります。57歳以上は、現在の27カ月から同じく20.5カ月に短縮されます。
これはあくまで最長の受給期間で、実際の受給期間は勤続年数により異なります。
合意の労働契約解消、10年で激増
2008年にこの制度ができてから、その数は増加の一途をたどっています。
地元メディアによると、2013年に約317,000件だったものが、10年後の2023年には523.000件と65%も増えています。
合意の契約解消は、企業側が従業員に持ち掛ける場合もありますが、自主退職を希望していた社員が会社側に話を持ち掛ける場合もあります。
企業側のメリット
フランスの企業が従業員を解雇するには、まず、重大な経済的理由による「経済解雇」(licenciement économique)、従業員による「重大な過失」、長期の病欠による「職務の遂行不可能」といったものが主にありますが、いずれも法律で条件が厳しく決められています。また、多くの場合、解雇後に労働裁判を起こされる可能性を秘めており、企業側のリスクは高いと言えます。
合意の契約解消でも、企業は従業員に勤続年数に応じた「退職補償金」( indemnité spécifique de rupture conventionnelle)を支払います。この制度を企業が利用するメリットは、従業員との合意のもとに契約を終了させるため、解雇に比べ、解消後に紛争を避けやすいということです。
自主退職より「お得」だが
退職後失業保険がもらえることから、「気軽に」自主退職するケースもあります。また、これも制度の利用件数を押し上げる理由の一つになっています。その後のキャリアプランを「退職してから考える」という人が、失業保険受給期間に希望の再就職や起業に成功できず、後悔するケースも多いことが現状です。
ドクターストップ、一回の病休期間に制限
現在、医師が発行するドクターストップによる休業証明(arret maladie)に期間の上限はありません。そのため、医師が必要と判断した場合、一回の初診で2ヵ月、3ヵ月といった長期の病休が可能でした。
9月1日以降、初回の病休の処方期間が最長31日、ただし、医師の判断により延長が必要な場合もこれまで無期限だったものが、一回の延長につき62日までに制限されました。
病欠中の所得補償については、健康保険から傷病手当(indemnités journalières)が支給されますが、今回初めて導入される上限の導入は、過剰な病休や不正(病休期間に補償を受給しながら他の仕事をするなど)を減らすための対策一つとされています。
フランスの健康保険の病休にかかる費用は膨大で、年間100億ユーロ(約1兆8,594億円/1ユーロ=約185円)以上にも上ります。
出典:Le Figaro, フランス政府公式サイト
執筆:マダム・カトウ











