10月29日(月)、深刻化するプラスチックごみ削減に向けた世界的な取り組み「プラスチックの新たな経済に向けた世界的貢献(Engagement Mondial de la Nouvelle Economie des Plastiques)」のため、フランスを含む世界の大手企業がバリ島へ集結ました。
この取り組みは、イギリスの、循環型経済を目指すエレン・マッカーサー財団(仏:la Fondation Ellen MacArthur/英:Fondation Ellen MacArthur)や、国連環境計画(United Nations Environment Programme/UNEP)の協力によって召集された会議「私たちの海(Our Ocean)」において始まったものです。
プラスチックごみ問題
プラスチックごみ問題は、2018年6月5日の「世界環境デー」において、国連のアントニオ・グテーレス(António Guterres)事務総長が提起したことで世界的に注目されました。
プラスチックは、フランスではセメントと鋼鉄に続き、工業製品として生産量で第三位を占めています。
国連の報告によると、プラスチックの生産量は特にここ10年で増加しています。また、生産された83億トンのプラスチックのうち79パーセントに当たる63億トンが廃棄物として海に捨てられています。
フランスの大手企業などが参画
エレン・マッカーサー財団の呼びかけで始まった今回の取り組みには、世界の様々な企業や金融機関が協力しています。
フランスからは、ロレアル(L’Oréal/化粧品メーカー)やヴェオリア(VEOLIA/環境事業)、カルフール(Carrefour/食品スーパー)、ペルノ・リカール( Pernod Ricard/酒造メーカー)、ダノン(Danone/食品)等が参画しています。
この他に、アメリカのコカ・コーラやペプシ・コーラ(共に飲料メーカー)、ユニリーバ(消費財)、ウォルマート(食品スーパー)、そしてスイスのネスレ(Nestlé/食品)などの多国籍企業も協力しています。
上記の企業に加え、15以上の金融機関や投資ファンドも加わり、金融機関はとりわけ、プラスチックの代わりとなる製品の使用を積極的に取り組む企業に援助を表明しています。また、フランスとイギリスの両政府も協力しています。
目指すは、全プラスチックのリユース・リサイクル
エレン・マッカーサー(Ellen MacArthur)氏によれば、協力企業が包装として使用しているプラスチックは、世界のプラスチック生産量の20パーセントを占めるといいます。
今回の取り組みに際して、「目的は、プラスチック包装の新たな通念を推進することです。2025年までに、全てのプラスチック包装を(そのままの形で再使用する)リユース、(形を変えて再利用する)リサイクル、あるいは堆肥に利用できる形にすることを目標にします」と述べています。
フランスの大企業をはじめ、官民一体となった大規模な協力による成果に期待が寄せられます。
執筆:あお