2025年11月18日(火)、16日18時半、パリ・シャンゼリゼ大通り(Avenue des Champs-Elysées)で毎年恒例のイルミネーションが点灯されました。イルミネーションは1月4日(日)まで行われます。一方、先月19日、8,800万ユーロ相当の宝石強盗の被害に遭ったルーブル美術館は、老朽化の激しい回廊の一部、ギャラリー・カンパーナ(galerie Campana)が安全確保のため閉鎖されました。
シャンゼリゼ・イルミネーション2025、世界初の“刻々と変化する光”
映画007にも出演したフランスの俳優レア・セドゥ(Léa Seydoux)さんを迎えた今年の点灯式は、大通りいっぱいの観客の歓声の中、音と光のショーが行われました。
今年バーションアップされたイルミネーションは秒刻みで変化し、遠隔操作、プログラミングも可能になっています。これは世界初の試みです。
制作したイルミネーション業界の先駆者、ブランシェール・イルミナション(Blachere Illumination)の最先端技術により、世界的に知られる大通りのイルミネーションは、独創的なものに生まれ変わりました。
イルミネーションは、クリスマスイブの12月24日、大みそかの31日は一晩中点灯されています。
シャンゼリゼ大通りイルミネーション:11月16日(日)~1月4日(日)、月~木(17時~0時)、金~土(17時~01時)、12月24、31日(17時~夜明けまで)
ルーブル美術館のギャラリー・カンパーナ、安全確保のため閉鎖
17日、ルーブルのセーヌ川側に位置するシュリー翼(aile sud, Sully)、その2階の回廊の一部、ギャラリー・カンパーナの9室が閉鎖されました。
この9室には、古代ギリシャの陶器、約1,000点が展示されています。
今回の閉鎖は、天井の梁などの老朽化の調査で、直近で倒壊の恐れはないものの、入場者の安全確保を優先しての措置です。また、調査に伴い同翼3階にあるルーブル職員室も3日間閉鎖されるため、65人の職員がオフィスの移動を余儀なくされています。
宝石強盗被害のシュリー翼、激しい老朽化で今後さらなる閉鎖も
歴史的建造物の専門家でルーブル美術館付け建築家のフランソワ・シャティオン(François Chatillon)氏は、「ルーブルはその人気がゆえに、老朽化に拍車がかかった」と述べています。
世界で最も入場者数の多いこの美術館が最後に大がかりな修復を行ったのは1980年代でした。
同氏によると、この時の修復工事の対象にならなかったすべての部屋は、もう「寿命」がきています。
10月19日に8,800ユーロ(約158億4000万円/1ユーロ=約178円)相当のナポレオンゆかりの宝石が盗まれたアポロンの間(Galerie d’Apollon)も、今日から閉鎖されたギャラリー・カンパーナと同じシュリー翼内にあります。
さらに、この事件により、これまで積み重なった問題が「タイミング悪く」大きく脚光をあびてしまいました。
このスペシャリストは、「ルーブルはパリの街区のようなもので、状態の良い建物とそうでないものが入り交じっています。道路も渋滞の激しいものとそうでないものがあります。だからこそ新しい入口を作る必要があるのです」と述べ、今後さらに館内の一部が、徐々に改修工事やその準備で閉鎖されることを明らかにしました。
執筆:マダム・カトウ













