今回は日本では見慣れないフランス野菜、アーティチョークのお話です。フランス語では un artichaut(アーティショ)、Rの発音もお忘れなく。写真中央のつぼみのようなものがそれです。さて、どのような味で、どんな料理に使われるのでしょうか?
アーティチョークはどんな野菜?
アーティチョークを辞書で引くと「朝鮮アザミ」とあります。では、韓国や大陸のほうではよく食べられるのでしょうか?誰かご存知の方、教えてください!
フランスでアーティチョークといえば、南仏原産のヴィオレ・ドゥ・プロヴァンスViolet de Provence(プロヴァンス紫)とブルターニュで多く栽培されるマコーMacauの2種類が主流。
4月から10月までマルシェやスーパーで見かけます。実際に花のつぼみなので、放って育てておけば紫の(決して美しくはない・笑)花が咲きます。
アーテイチョークはどのように食べる?
一番簡単な食べ方は、茹でたものに vinegrette ヴィネグレット(ドレッシング)をかける!アーティチョークは切らずに丸ごとお湯の中に入れ、茹で上がったら1人1個ずつ食べます。
お皿の上にどーんと乗った巨大なつぼみ…初めて食べたときは「何コレ、こんなに大きいの一人で食べられない!」と驚いたものですが、ご心配なく。実際に食べる箇所は少ないのです!
葉っぱのように見える苞片を一枚ずつはがしていき、付け根部分の柔らかいところを歯で削るように食べ、最終的には核の部分クーCoeurに到達します(ここが一番実?が多いです)。
中心部にはとうもろこしのように「ひげ」があるので取り除いてくださいね。南仏産ヴィオレの小粒は生食可ですが、一般的には火を通します。
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アーティチョークの歴史
アーティチョークの歴史は古くギリシャ・ローマ時代から食べられていたそうです!フランスに入って来たのは中世期で、現在の品種とは異なるものだったとのこと。
広く知られるようになったのはアンリ2世に嫁ぐためイタリアからやって来た、かの有名なフィレンツェのメディチ家令嬢カトリーヌ・ド・メディシスが持ち込んでから。お腹をこわすまで食べるほどの大好物だったとか!その影響を受けてかルイ14世も好物とし、現在に受け継がれ、フランス人はみな旬のアーティチョークに目がないようです。
最後に
アーティチョークは、酸化しやすい野菜なので鮮度が命!欲張って食べ過ぎると前述のカトリーヌの二の舞なので、1日2個ぐらいに留めておくといいですね。また、加熱後24時間経ったらマリネ以外は処分しろ、とは南仏おばあちゃんの教えです。
執筆 Ayako